前回のあらすじ
意味不スキル《神矛》を手に入れ、最強の賢者シルザー=エドワードに拾われ賑やかで大変な日常スタート
「わたくしの商会を是非ご贔屓に」
「わたくしの冒険者ギルドにも登録を!賢者様でしたらSランクから始めて結構です!」
俺の挨拶が終わったら賢者様の取り合いになり始めている…本当に賢者様は人々に愛されていることがわかった。俺がこのような方の孫でいいのだろうか
「ルーカスと呼ばせてもらうがいいかな?」
「王様!是非、お願いします。」
「君に私の自慢の、もう一度言おう。自慢の!可愛い娘を紹介しよう。間違っても手を出すなよ?絶対だからな?ぜっっっったいだからな?」
この人が溺愛しているのはよーくわかった。たぶん手を出したら俺が死刑になりそう…まぁ、俺じゃ釣り合わないのだろうけど
「お父様!?またそのようなことをいって…賢者様の孫だからってそんなことしませんよ!」
「そ、そんな怒らないでよぉ。わしはエリたんを思って…あれ?」
「アウグスト=エリザベスです。ルーカス様、先程の挨拶凄くカッコよかったですわ」
「こ、光栄です…」
「あの、小僧…!わしのエリたんを!許せぬ。許してはならぬ!」
「大人げないですぞ、アウグスト様それに、彼が手を出したわけではなくあいさつをしているだけです」
「えぇーい!だまれぃ!エドワードの孫は信用ならん!一度骨を折らないと」
「お父様!はぁ…すいません。お父様、昔好きな人を賢者様に奪われたそうで…」
「は、はは。そうだったのですか。大変だったのですね」
なんかドロドロな関係だなおい…
「ルーカス様はスキルを授与したのですよね!見てみたいです」
「ぐぬぬ、ならんぞ!わしのエリたんを…」
後ろから負のオーラを感じる…王の風格を違うところで発揮している気がする。
「わたくしのスキルは分からない所が多くて、すみません。答えられません」
「さすが賢者様の孫ですね!あ、それと堅苦しい挨拶はやめませんか?エリザベスでいいですよ。あと一人称も好きに使っていいですし、敬語も」
「ストップストップ!さすがに王女様にそれは…」
プイッ
え…これは言わないと話せないパターンか?少し抜け出して見るか
グイッ!
駄目だ…これは条件を飲まないと…
「おっと?何をしようとしているのかなルーカスくん?わしのエリたんを?呼び捨て?」
じゃどうすればいいんですか!王様の娘さんが話を聞いてくれないんですよ!?
「え、エリザベス…様」
「まぁ、それでいいです。改めてよろしくお願いします。ルーカス様」ニコッ
か、可愛い…さすが王女だなぁ
「エリたんを?呼んだな?呼んだよな?おい、わしの、おい、おいおいおいおい」
ヤバイヤバイヤバイ!死刑になるー!!
「お父様!ルーカス様に手を出したら1ヶ月口を聞きませんよ?」
「エリたん!?わかりました!だからこれからも仲良くー!」
タッタッタッ
はぁ…はぁ…嵐が過ぎ去った…絶対王様の威厳をここで使うべきではないと思う…
「おぉ!早速女と仲良くなったか。大分疲れてるようだが、どうした?」
この人…自分のしたことをわかっていない!あれ?女を奪われたってことは…
「賢者様って子供いないのですよね?」
プイッ
…ん?プイッ?これはまさか…
「お爺様は子供いないのですよね?」
「あぁ、いないな。もしかしてアウグストから聞いたのか?あのあと別れたんだ、」
賢者様もお爺様と呼ばれたかったのか…王族といい賢者様といい面倒くさいな。
「はぁーーーー!疲れたぁ。あのあと、お爺様の挨拶ラッシュからこっちに飛び火が来て質問攻めにあった…。宴って…大変」
ん…そういえばまだスキルの解明してないけど…
あぁ…眠いからまた明日に……
「起きてくださいルーカス様」
「んーーーー!よく寝、たぁ!?!?な、何で王女様が?」
「?賢者様がルーカスを起こして来てくれないかって来たので、あとここのベッド私のでして…」
「え?えぇーーーー!?すいません!今すぐ出ます」
ガチャ
「エーリーたーん…」パリーーーーン
「お主、ルーカス…カスめ。遂に本性を現しおったな」
カス!?名前が変わってるような…あとこれ今度こそ終わったような…
「許さんゾー!!ていやー!」
ガシッ
「大人げないぞ。アウグスト…だから女に逃げられやすいんだ」
ブンブンブンブン!
ギリギリ…セー
ムニッ
ん?ムニッ…
「へ?ルーカス様のエッチー!!!?」
バチーーーーーン
「いったーーーーーーーーーーー!!!」
あぁ、痛い。でもこれ俺のせい?昨日賢者様に紹介されたベッドに寝ただけなのに…王様の攻撃から逃げただけなのに…
ドサッ…
「ん……ここは」
「すいません!つい、頬を叩いてしまいました」
「王女様、いぇ、エリザベス様。こちらこそすいませんでした。後ろを見ておらずアクシデントを…」
カァッ
可愛いな…って思ってるとまた怒られそうだから止めておこう
「ふん!エリたんの恐ろしさを見たか!お主が手を出していいものじゃないのじゃぞ!」
「お父様。今月は話さないことにしました」
「ガーーーーーン!許すまじ、エドワード家を呪う!!」
俺のせいなの!?ねぇーーー!
「はっはっはー!初のビンタはどうだった?この王宮も少なくとも1年、多くて5年は来ないからよく別れを言うべきだぞ?」
「そこは言いました。ビンタは痛いということがわかりました。お爺様のお陰で」
少なくとも1年か…昨日と今日は夢の一日のようだったな。本当に楽しかった
「それにしても僕たちはどこに泊まるのですか
?」
「よく聞いてくれた!ルーカス、お前は俺の孫でもあり弟子でもある!そのスキルを開花させて俺より強くさせようと思う。従って被害が少なくなるように魔物が多い森を買った。そこで修行だ!」
…森を買う?どれだけお金を使えば森を買えるのだろう…あと魔物か。まだ一回も見たことないけどどのくらい強いのか知りたいな
「そろそろ見えるぞ!これが俺たちの原点!
エドワード山だ!」
ネーミングセンスは置いといてエドワード山か!ここでこのスキル《神矛》を発揮することができると考えるとワクワクしてきた!!
「ガルルルルル!」
「ファイヤーブレット」
…やっぱり怖いな。今のが魔物!3mはあったぞ!
「グリズリーウルフの子供だな。Dランクの魔物だ。親はもっとでかいぞ!」
「今ので子供ですか?!先が思いやられる…」
「いずれルーカスには親も楽に倒せるくらいにしていかないとな!」
これは気を引きしめないといけないな!これからどんな試練が…!
「ふぅ…たまにはゴロゴロするのもいいもんだ」
「って!修行は!?」
「そうあせんなって、お前もここ数日忙しくて疲れが取れてないだろ?」
まぁ、…賢者様に修行をつけてもらえるだけありがたいんだけどな…それにしてもこの森魔物ばかりといっていたのに案外静かだな
「案外静かだろ?」ニヤッ
この不適な笑みは…まさか…な
「グリズリーウルフってのは集団生活をしていてな。仲間、特に家族の情に熱いんだ。つまり、子供がやられたら黙ってないのが」
「親…ってことは!」
「大正解。グリズリーウルフの親がいるってことだ!」
「グォォォォォォォォルルルル!」
「………!!!!!!!!」
子供の二倍はある…これが魔物…!
「ランクはCだ。これはオスだな。ッてなわけでまずは走力だ!危険なときは助けるから全力で2時間逃げろ!」
「嘘ーー!?」
「グォォォラルルルゥ!」
はやッ!大きい体してるのに小回りも?!
前に岩…!これを何とかしてぶつければ、
バッカーーーーーーーーン!
…
「ですよねーーーーー!!岩くらいどうってことないよなー!」
なんか罠に引っかける方法はないのか?
《神矛》
第一走力強化(小)
第二???
なんか出てる!走力強化(小)?それにやっぱり第二の効果も出てる…!!
《走力強化(小)》
ビュン!
速くなった?グリズリーウルフより少し速くなったのか?!このまま二時間逃げ切るぞ!
二時間後
「はぁ!はぁ!はぁ!クリアしました…」
あのあと体力のこと考えていなかったから死ぬかと思った…
「スキルは出たか?」
「第一走力強化(小)が出ています」
「やっぱり第二もあるってことだな!体力は強化されなくてスピードは強化されたのか…」
「何か手掛かりになることありますか?」
「神の矛…矛ってことは攻撃に関係あることしかスキル効果として出ないんじゃないか!!」
なるほど…それなら走力は攻撃の早さにも関係するからそれは当てはまる!攻撃専用のスキルか…
「そうとわかったら明日から実践だ!」
「はい!!」
こうしてスキルの謎は解明された
宴から一変、修行が始まったルーカス。次回からは修行回が始まります。お楽しみに!
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