「好きだよ、波留(はる)」
僕は、驚いた。
彼女の口からそんな言葉が出てくるなんて、思いもよらなかったからだ。
でも、嬉しかった。
嬉しすぎて、言葉がでてこない。
そんな中、やっとでてきた言葉は、
「僕も」
これだけだった。
これだけだったのに彼女は、泣いていた。
どうして泣いてるの?
そう聞きたくなる。
「ねぇ、波留は、あのときの約束覚えてる?」
泣いていた彼女が突然、そんなことを聞いてきた。
「もちろん」
忘れるわけがない、僕はこれまで約束を守るのに必死だったんだから。
あの日は、確か桜が満開になる少し前のことだった。
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