「いったい、いつまでついてくるつもりなんだ」
朝の準備を終えた俺は、何も変わり映えのしない通学路を歩いていた。
ある一点を除いては。
「だってしょうがないじゃない。あなたから離れられないんだから」
ここでいう「あなたから離れられないんだから」は決して胸をときめくような状況などではない。
そりゃあ、前橋さんほどの美少女から「あなたから離れられない」と言われたのであれば、言葉のみを考えれば、美少女ゲーム内で確実にルートに入っている証拠である。
しかし、今この場においては、そんなことは一切ないと断言できる。
だとしたら、なぜなのか?
話は10分前に遡る。
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