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連載中 長編 異世界 / 日常

奴隷屋の日常

イラスト:幽助君
公開日時:2021年3月15日(月) 18:25更新日時:2021年6月30日(水) 13:47
話数:23文字数:126,577
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1377
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1406.7
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23
レビュー
5
作品評価
9.4
わたしの評価

あらすじ

 

 ▼物語を大きく改変している最中です。既読の方も、よろしければまた、新たに読んでいただければ嬉しいです。

 

 

 ―――――

 

 

 これは、一人の青年が一人の従者と共に、ただ奴隷屋を営むだけの物語だった。

 

 

 その奴隷屋は、商品である奴隷に清潔な空間を与えていた。きちんとした食事や風呂の提供。温かいベッド。趣味の許可。地下での閉鎖的な管理という点を除けば、世間では蔑まれるのが常識な存在に対し、なんとも寛容であった。

 

 しかし青年にとって、奴隷はどこまでも〝商品〟でしかなかった。

 

 過ごしやすい環境は、あくまでも品質を維持するため。奴隷とはいえ、汚くて健康に害のありそうなモノを欲しがるだろうかと疑問を抱いたから。

 お客に購入してもらうために、常に商品を良い状態で保つのはお店として当然だ。その当然を、この奴隷屋でも実践しているに過ぎない。

 なのでもし、商品が売れないと見切りをつけた場合は……。

 

 青年の名前はシリウス。従者の名前はライファット。

 

 彼らの毎日に、特別人に話せるような驚きや興奮はない。それは日々を過ごす上で、多くのことを望まないがゆえの平穏で、これからもずっとそのつもりだった。

 

 

 これは、そんな物語だった。

 

 

 ―――――

 

 

 ※ 一話完結形式です。

 ※ 物語の時系列はバラバラです。

 

【奴隷屋の休息】も、合わせてどうぞ!

https://novelism.jp/novel/xru6yZBKT56SujyR1sHVCQ/

 

 

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全てのレビュー

優月茜
優月茜 投稿日:5月21日

多くの人がイメージする奴隷の姿。それは虐げられ、暴力を受け、不衛生な環境を強いられたものだろう。つまり人権などないような扱なのである。しかし、本作の奴隷は違う。一人の人物として尊重され、高品質な商品として管理されている。

奴隷屋を営む主人公シリウスとその相棒の日常が、淡々かつ自然に描かれていく。文章はすらすらと脳内に映像を映し出し、読者を引き込んでいく。シリウスの行動原理はなんなのか。どのような背景をもち、そして目指すものはなんなのか。読み進めるごとにとりこになっていくこと間違いなし。

ぜひ多くの皆様に読んでいただきたい。

1人の読者がこれを役に立ったと思っています
優人
優人 投稿日:4月10日

【物語は】

ある印象的な思想から始まっていく。この世界では人間でありながら、人間扱いされない者たちがいる。彼らはイヌであり奴隷と呼ばれた。彼らには人権が無くその命は売買され、軽く扱われた。そんな世界で、主人公はある人物と奴隷屋を営むことにしたのだった。

 

【物語の魅力】

ある思想と主人公の決心から、本編へと続いていく。

本編に入ると、世界観の説明を取り入れた奴隷の売買の様子が描かれている。混沌とした世界観と、論理的な思考で展開される、不思議なバランスの物語。

主人公は商品として奴隷を扱っており、その扱い方がちゃんと”商品”である。

 

奴隷を商品とする考え方について、かなり深く追求しているように感じた。決して奴隷制度を対して推奨をしているわけではないが、このシステムと考え方には、納得させられるものがある。他の店に比べると、主人公が奴隷を人間扱いしているように感じてしまうが、それは間違いだと思う。商品を商品として扱う。それが主人公の考え方であり、商品に対しての姿勢なのだと感じた。

 

この物語には沢山都市が出てくるものの、番号で呼ばれている。オリジナルの固有名詞は覚えづらいため、番号で呼ばれているのは覚えやすく分かりやすいと感じた。

 

【登場人物の魅力】

主人公の商売に対する姿勢が、凄いと思う。漠然とただ売れればいい、という考え方ではない。”客が求めているものとはは何か”。それを突き詰めていくことが売り上げに繋がると考えられるし、客との信頼関係にも繋がっていくのではないだろうか。とても論理的である。

 

情景描写や心理描写が丁寧に描かれているにもかかわらず、主人公が淡々としているように見える。恐らくそれが、彼の性格なのだろうと感じた。従業員とは温かみが感じられる会話をしているが、決して情で動いているわけではない。どんなに扱いが良くても、商品は商品なのだ。

話が進んでいくと、主人公が奴隷屋を営む前のエピソードが出てくる。彼が欲しかったのは奴隷ではなく”信頼できる者”。あらすじにある”身内”とは一体何を指しているのだろうか。もしかしたら、この部分で明かされるかもしれない。

 

この物語では奴隷視点での思想(心情)も出てくる。人間とは人種の違う奴隷については、システムを理解したが、買う側と同じ位置に居たはずの人間がどうして奴隷となったのか。謎の部分があり、その経緯や理由について知りたいという好奇心を刺激する。

そして主人公に何故、冷めた部分があるのか徐々に話の中で分かっていく。

 

【物語の見どころ】

まず、世界観。舞台について細かく設定されており、とても分かりやすい。そして、主人公に不思議な魅力を感じる。考えていること、思想は分かるのに何処かミステリアスに感じる。世界観や登場人物や考え方に、拘りを感じる作品である。

 

主人公は奴隷屋を営む前に、奴隷屋がどんなところなのか見ている。このことが奴隷屋を営む上での思想に、一役買っているのだろうか?

 

主人公と従者の出会いについて。

冒頭の方に出てくる二人の間の雰囲気と、二人が出逢ったばかりの頃では明らかに違う。二人がどんな風に信頼関係を築いていったのかも興味深く、見どころの一つではないだろうか?

 

あなたもお手に取られてみませんか?

読了部分まで(奴隷屋と萬屋①)ではまだ、”身内”が何を指しているのか謎のまま。

しかしこれから明かされていく、という楽しみもあります。

主人公にはまだ謎な部分も多く、これからの展開が楽しみです。

是非読まれてみてくださいね。おススメです。

2人の読者がこれを役に立ったと思っています
宵薙
宵薙 投稿日:10月27日

奴隷屋、と聞いて思い浮かぶのは何でしょうか。酷い、荒れた人達の集まり、主はいい加減で、奴隷をずさんに扱う……

 

そんなイメージが強いかもしれません。

しかし、この作品は違います。

 

奴隷を人間として扱い、しかし単なる優しさに物語は留まらない――。

 

奴隷屋の何気ない日常に添えられる血の香り。主人公シリウスのドライさも、魅力的です。いい意味で全てを突き放しており、己の力で道を切り開いていくような勢いと強さが垣間見えます。

 

一話完結型で綴られるので、電車の一乗りにもちょうどいい量となっています。ハードボイルドな雰囲気を感じさせる、この作品をオススメしたいです。

1人の読者がこれを役に立ったと思っています
柚子ハッカ
柚子ハッカ 投稿日:10月12日

レビュー前に先に書かせて下さい!

 

続きが気になり過ぎますっ!!

えーーー!?ってなりました。

 

もの凄く世界観がしっかり作り込まれていて、すんなりその世界に入っていけます。それだけでこの作者さんの腕が素晴らしいことがすぐに分かります。

またキャラもひとりひとり作り込まれていて、登場人物が全て魅力的です(モブキャラですらそうです)。

 

話自体がファンタジーながらハードボイルドのテイストが多めなので、もしかしたら人を選ぶ作品なのかもしれませんが、多少苦手だとしても読む価値は絶対にある作品です。

設定も練られていて骨太の作品ですから、もしかしたらファンタジー古参組は好きな作品かもしれませんね。

 

主人公のシリウスの少し乾いた感じ(ドライとはまた違うような…)の物言いや考え方が、非常に人間臭くて魅力的です。

また相棒のライファットもいい!

軽口を叩く間柄ながら、ご主人様を絶対に守るという姿勢は健気でつい肩入れしてしまいます。

他にも重要なキャラクターが出てきますが、そのキャラ達がどんなふうに鍵を握るのか、どう絡んでくるのかに期待です。

 

とにかく一度読んで頂きたい作品です。

世界観にハマったら知らない間に最後まで読んでると思います。

そして冒頭の台詞にご納得頂けると思います。

良作に出会いました。

1人の読者がこれを役に立ったと思っています
堅洲 斗支夜
堅洲 斗支夜 投稿日:9月28日

 カウボーイビバップを彷彿とさせつつも、さらに硬派で、人物以外の色彩の描写を抑えた表現と、無常にも近い日常の中のわずかな血の通う暖かなシーンが引き立つ仕掛けのされた良作。

 

 設定も、匂わせられている伏線もしっかりしておきながら、基本的には一話完結の日常で物語がつづられていくという構成がまたいい味を出している。

 

 甘々ゆるゆるの異世界物が沢山ある中で、読ませたいもの、見せたいものを硬派に絞る作風はなかなかできるものではなく、だからこそこの作品独自の読み応えがある。

 合う人にはたまらない良作で、ぜひおすすめ。

4人の読者がこれを役に立ったと思っています