何の因果か異世界転移! スケバン令嬢の筋通し

The Sukeban Lady Adventure
光陽亭 暁ユウ
光陽亭 暁ユウ

箸休め

間奏の物語その2 バレンタイン記念 バレンタインデイ・キッズ ―― お水をかけて

公開日時: 2021年2月14日(日) 12:01
文字数:7,133

 これは今から数年前の冬……モストロ国のある昼下がりに起きた出来事のお話……。

 モストロ西部は大きな草原地帯となっており、そこには魔王より土地の割譲を受けた民族の一つ……遊牧民たちが住んでいる。

 遊牧民は牧畜を飼い慣らし、一つところにとどまらず生きる流浪の民族だ。

 また、彼らは国のような一塊にはならず、いくつもの部族に分かれて生きているのも特徴だろう。

 さて……その中には魔術の中でもトップクラスにおどろおどろしい能力を「呪術ソーサリー」と名付けて行使している者もいるのだが……。

 当時、まだ部隊を持ったばかり……つまり中間管理職に成り立てだった戸西朧に課された任務……それがこの呪術使いを自称する民族の査察であった。


「はあ……私が、ですか……?」

「そう、まあ別に野心が確認されてるわけでもなし、本当にちょいちょいっと様子見をするだけだから」


 件の呪術師ソーサラー達の集落はそこまで遠くない。

 一日で行ったり来たりできる距離ではあるのだが……。

 それにしても、隊長になってすぐの任務が日帰り査察とは。

 窮奇曰く、王の勅命をこなしたという実績を作ることにより部下からの信頼を手っ取り早く得られるという話なのだが……。

 個人単位での行動が基本となる特務軍人シークレツトサービスとはいえ、若干良いように使われているな……と感じずには居られない。

 だが嫌ですとは言えないのが中間管理職の辛いところか。

 ここは素直に向かうしかないだろう。


「いやあ、ありがとうね朧ちゃん、そうだ……今日は例の日だ、給料とは別にお駄賃をあげるからこれで幼馴染みの子にプレゼントでも渡しなさい」

「い……!? あ、い、いや、銀河はそんなのじゃ……いや、その、分かりました……」


 窮奇は虎なので当然全裸、ティアラとリボンこそ付いているがポケットはない。

 そのくせに「ポケットマネーだよ」などと良いながら、転移魔法を用いて生み出した空間のポケットから金貨を数枚取り出す。

 確かに、これなら幼馴染みの能登銀河へ物を買うことが出来るが……。

 さて、ここで窮奇が言った例の日とは何なのか……何故贈り物なんて話になるのかを説明しよう。


 まず今月は日輪の月と呼ばれる月だ。

 この世界には、暦として12の月が存在する。

 いぬがみの月、にちりんの月、みのりの月、の月、こくの月、の月、長弓ながゆみの月、つがえの月、どうの月、とうらいの月、じゆういんの月、じゆうじんの月。

 日輪の月はこのうちの2つ目にあたる月だ。

 そして今日はその14日、本来ならこの日は何の変哲もない日のはずだった。

 だが……数十年前のある日のこと。


「む……こ、ここは……やった! とうとう掘り当てたんだ!」


 モストロ王都の有名宝飾品店「ヴァレンティノ・エーデルシュタイン」がこの日に宝石鉱脈を発見。

 時の当主であったカラスの魔物、藏人玄魔くろうどげんまは「恋人への贈り物に」と宝石の大セールを行ったのだ。

 噂は海を越えてプルミエにも流れていき、やがてこの日は恋人や家族に宝石を贈呈する日となった。

 だが、宝石は一般人にはどうしてもハードルが高い。


「何か宝石の代わりになる綺麗なもので、このビジネスを広げられないだろうか……そうだ!」


 なので、とある商人が主力商品の蜂蜜菓子を「甘い宝石スイートジユエル」と名付け売り出したのをきっかけに、宝石ほど高くはないが特別感の有る物として甘味が選ばれるようになっていき……。

 当初は蜂蜜でコーティングした果実がメジャーだったものが、蜂蜜菓子のマイナーさから次第に「菓子なら何でも良し」と変化していったのだ。

 ついでに、ヴァレンティノ・エーデルシュタインの日では長いため、名前が短縮された挙げ句訛り、バレンタインの日となったわけである。


「ううむ……ハードルは下がったが、蜂蜜菓子は流行らなかったか……これは私の次世代に期待するしかないのだろうか……?」


 ちなみに、甘い宝石の走りを作った商人はプルミエの港町レプレに住まう兎獣人。

 聞いた話によると、なんでもさる豪商の親だとか……。

 そんな話はさておいて、こういったわけで……今日は大事な者どうしがお菓子を与え合う日なのだ。


「せっかくのバレンタインなんだ、この後会う予定は有るんだろう?」

「それはその、夜に会食が有りますけど……」

「幼馴染みの好物は?」

「スイートパンです」


 スイートパンとは……まぶし砂糖と練りバターによって、甘くもあり塩っ気もあり……の絶妙な味になったパンだ。

 朧達が暮らすアルメナーラの街にはモストロでも有名なパン屋が存在し、能登はそこのスイートパンを好む。

 スイートパンには数フレーバー存在し、特に人気のフレーバーはチョコ菓子をパンに挟んだものだ。

 溶け出したチョコがパン生地に染み込み、甘さをより強くする……。

 能登の一番好きなフレーバーもこれである。


「よし、じゃあ今渡したお駄賃でスイートパンでも買ってあげなさい、お釣りは持ってって良いから」

「はあ……ありがとうございます」


 窮奇の言葉に、朧は内心「窮奇様は親戚のおばさんか何かか?」と考える。

 だが口に出しては不敬にあたるので、静かに頭を垂れると任務へ向かうのだった。

 本人……いや、本虎はまあ言われたところで「だねえ、というかおばさんどころかババアだし、私って」と笑うのだろうが……。

 それでもいわないのがマナーというものだ。

 そんなこだわりを抱く朧を見送った後、窮奇は椅子にもたれかかる。

 そして「若いなあ、羨ましいなあ」と言いながら伸びをした。


「そういえば、ミケちゃんは誰かにお菓子をあげないの?」

「特には予定も無いですけど……じゃあ折角なので、窮奇様に差し上げます、何が良いですか?」

「んー……じゃあココアかな」


 ココアとは。

 まずモストロ北部にある小国原産のカカオポッドと呼ばれる木の実がある。

 実の中には更にカカオ豆と呼ばれる細かな実が存在し、果皮を排した果実を発酵させた後にその実を取り出して天日干ししたもの……。

 を、更に焙煎しすり潰して作ったカカオマス……。

 に含まれる脂肪分ココアバターを圧搾したココアケーキ、それを更に粉砕した粉、ココアパウダーをお湯や牛乳で溶かした飲み物である。

 長くなったが、チョコのドリンクという感覚でまあ間違っていないだろう。


「窮奇様は、そのお姿なのにチョコもお得意ですよね」

「ふふん、甘いものが好きっていうのもあるけど……私は凄いからね」


 通常、肉食獣系の魔物は人間形態にならないとチョコの成分を腸内で上手く処理できず腹を壊してしまう。

 だが窮奇はそんなこともなく、当たり前のようにチョコをむさぼりココアを飲むのだ。

 それもまた、彼女が強大なる存在だという証左なのだろう。

 ……こんな形の証明で良いのだろうか、と思わなくもないのだが……。

 まあそこは個人……いや、個虎の自由というやつか。


「じゃあ、ココアをいれてきますね」

「うん、よろしく」


 氷魔法により、適温で常備されている牛乳……。

 その元へ向かうミケへと窮奇が前足を振る。

 そして、あくびをすると「朧ちゃんは大丈夫かな?」と考えるのだった。



 さて……。

 モストロ西部草原の遊牧民族、そのうちの一つである呪術師達、イステ族とはどんな部族なのかというと……。

 まず彼らは、基本的に狐の魔物で構成された部族だ。

 主に西部草原の数少ない魔術師として、草原の困り事を聞く便利屋を行っている。

 雨が少なければ雨を降らし、危険な動物が増えれば適度な間引きを行うため他部族に狩猟量を進言し……。

 ジャッカルの魔物が集う部族であるユアスマガ族など、草原の各部族と連携を行っているのだ。

 そのあり方から、草原の賢人とも言われている部族なのだが……。

 彼らには一つだけ問題が有った……。


(なんか……査察に来たはいいものの、存外普通の場所だなあ)


 査察にも色々と種類が有る物だが……。

 朧は外交官やネゴシエーターではなく特務軍人。

 素性を隠して査察を行うタイプの軍人だ。

 故に、ごく普通の旅行者として振る舞いながら彼らの料理を馳走になっている。

 集落中を見て回ったが特に問題はなく、このまま帰って報告だな……などと考え、朧はステーキを噛み締める。

 だが……食事を終え、金を払っていたとき……それは起きた。


「いただき!」

「……! こら! 待ちなさい!」

「うわっ!? ……! 私の荷物が!?」


 突如、子供に荷物を奪われてしまったのだ。

 料理屋の主人曰く……子ども達はどうも遊牧民として草原を渡り歩く日々に飽き飽きしているらしく、旅人を見るとついイタズラをしてしまうらしい。

 微笑ましい話だ……自分が巻き込まれるのでなければ、だが。

 そう、この集落が抱える問題とはまさにこれ、子供達によるイタズラなのだ。


(ヤバいな、どうせ荷物には素性を隠すためにロクなものを持ってきてないけど……財布も手に持ってるけど……)


 荷物を一つ一つ確認し、朧は汗を垂らす。

 いざという時の身分証明となる特務軍人徽章は服の内、財布は手の中、だが……人気商品だからと出発前に先んじて買ったスイートパンは荷物入れの中にある。

 パンくらいまた買えばええやん、と思うかもしれないが……。

 あのパンは国内屈指のパン屋による人気フレーバー。

 このまま帰宅すれば夕方頃になるが、その頃には売り切れている可能性が高い。

 一刻も早く取り返さなくてはいけないだろう。

 素性を明かすか……と一瞬考える。

 確かに、素性を明かせば彼らは即座に子供から荷物を取り返してくれるだろう。

 何せ王の勅命で査察に来た隠密だ、失礼があったとなっては何を言われるか分からない。

 だが……。


(荷物を奪われたから、権力を使って解決って……ダッサいよなあ……そんなことのために軍人してるわけじゃないしなあ……しょうがない、やる気を出しますか)


 ダサいとは……かつてプルミエで開かれたという駄目な祭り、通称駄祭を語源とする貶し文句……即ちかっこ悪いということだ。

 朧は諦観と向上心の狭間をさまよう疲れ果てた女……。

 しかし狼の誇りは捨てていない、故にダサい振る舞いはいただけないのだ。

 そんなことを考えつつ軽くストレッチを行い、朧は意識を研ぎ澄ます。

 そして両手を地面につくと全身に力を込めた。

 みなぎる力と共に、全身を覆う薄い獣毛が長さを増し、力強く変化する……。

 普段は白い肌のように見えているそれが、毛だと一目で分かるほど伸びていく……それと共に四肢の形もまた変化の時を迎えるのだ……。

 手足の形は人から獣に、爪は鋭く、そして耳は大きく……。

 口も大きくなっていき、その姿は見る見るうちに四足歩行の巨狼となった。

 服を突き破る尻尾……その感覚に目を細めながら、朧は湿った息を吐く。

 この状態は朧が持つ形態の一つ……汎用性に特化した無翼形態ウルフ・ヴァージョンという形態だ。

 有翼の状態より素早さに劣る代わりに能力のバランスがとても良く、素早く動くよりもしっかり嗅ぎ回りながら歩きたい……といった地道な作業や、極力消耗せずの戦闘に適している姿。

 言うなれば、朧にとっての基本形態のようなものだ。

 この姿を使い、朧は子供達を追いかけることにした。


(……全く、菓子の入った鞄なんて奪うから……匂いでバレバレ・バレンタインだな)


 まず口にしないであろう寒いシャレを思い浮かべながら、朧は香りを辿って走る。

 これで魔術使いなら魔法で移動を早くする……なんてこともできるのだろうが、朧は生憎と魔術が使えない。

 戦技という魔術とは別口の特殊技能に関しては素養があるのだが……先天的な魔眼持ちである反動か、魔眼以外の魔術は本当にからっきしなのだ。

 そんなことを考えていると、視界の先にとあつ場所が見えてきた。


(ええと……香りはこの先か……ははん、なるほどね)


 香りの先は、小さな洞窟だ……恐らくは子供達の秘密基地なのだろう。

 自分も小さかった頃は、能登や他の友人と共に秘密基地を作ったり冒険をしたりしたものだ。

 特に能登はギガノトサウルスの魔物……その剛力により秘密基地作りにおいて右に出る者はいなかった。

 組み立て資材を運んだり、岩壁を砕いて洞窟を作ったり……。

 足が粉砕骨折した事件の時だって、きっと不意打ちでなければ不審者を倒せていたろうに……。

 そこまで考え、朧は思考がよそに飛んでいたと気付いて首を振る。

 今すべき事は回想ではない、子供達を追うことだ。


(でもこういう秘密基地って罠が有る可能性も……子供って存外容赦ないからなあ、慎重に進もう)

「このパンうめー!」

「流石都会のパンだよな!」

「はああぁぁぁっ!? おいコラクソガキゃあああああ!!!」


 慎重に進もう、そう決意して数秒後に朧の耳が子供達の声を捉える。

 そして朧は、子供達が作ったトラップを力尽くで蹴散らしながら突き進む。

 驚くほどのスピードによる前言撤回であった。

 しかしそれもしょうがないだろう。

 折角大事な幼馴染みへ用意したプレゼントが、今まさに台無しにされたと分かったのだから。

 もうこれを今日という特別な日に頬張る彼女の笑顔は見られないのだ。


「げえっ! さっきのお姉さんだ!」

「みんな逃げろ!」


 叫ぶ子供達、だが唯一の逃げ道は朧が塞いでいる。

 そんな状態で子供達を眺め……朧は荒い息を吐く。

 怒り心頭に発す、と言わんばかりの様子だ。

 だが……子供達の様子を見て、朧は少しだけ自分が落ち着いていくのを感じていた。

 別に許したわけではない。

 だが……彼らの顔ぶれを見ながら思ったのだ。

 彼らは別部族の子供も含めて集まっている……。

 そういえば自分も子供の頃、こういう風に他所の子と一緒に集まったものだ……。

 そういう集団でいると妙に気が大きくなってしまう。

 複数の場所から集まった自分達は凄くグローバルな集団だと感じて、凄い連中に思えてくるのだ。

 そうして注意を受けたことは何度もあった。

 ならば、頭ごなしにキレ散らかすのではなくやんわり厳重注意するだけでも……。

 そこまで考えた時であった。

 体に何かがかかる……。

 水だ、冷たい水がかかったのだ。


「はぁ……?」

「よし、雨乞い呪術が効いてるぞ! もっとかけろ!」


 子供たちの言葉を聞き、朧は堪忍袋の緒が切れるのを感じた。

 というよりかは、自らの怒りが普段諦観によって隠しているリミッターをぶっちぎったような気がした。

 苛立ち、ここに極まれり。

 気付けば朧は子供たちのリーダー格を抱え、その尻を叩き始めていた。


「人が説教で済まそうと思っとったらこんガキャア! そんなにぶたれたいならお望み通り、一人残らず尻が腫れるまで叩いてくれるわああぁぁっ!!!」

「ぎゃあああぁぁぁっ!!!!」


 こうして、洞窟内に怒りと恐怖の絶叫が響き渡った。

 怖くなった子供達は逃げ出すことなど出来ず。

 哀れ、一人残らず狼の強靱な手で繰り出される掌底打ち凄い強いお尻ペンペンによって尻を腫らす事となった。

 ……教訓、無闇矢鱈に人を攻撃するのは、その人を怒らせて情け容赦をどこかへ飛ばすのでやめましょう。

 その後、王城へ帰還した朧が残した報告書にはこう書かれていたという。

 呪術師の部族は平和な者達で頭が良い大人が過ごしているが、子供達は年にそぐわぬ力を得たが故に身の程をわきまえないイタズラをする馬鹿が多い、と……。

 後にこの報告書をきっかけとして、窮奇が部族の村へと有り難いお話年寄りの長話をしに行ったことが有るのだが……。

 何故かその際には子供達に「イタズラするとバレンタインの怪物に襲われる」という怖い話が広まっており、既に他所のもの達へイタズラをすることは無くなっていたそうな……。

 なんでも、怪物は狼の姿で子供のお尻をトマトのように紅くするらしい……。

 さて、そんな怪物の話はさておき朧はその後どうなったかというと……。


「うう、寒い……」


 夜風に震え、鼻を啜る朧。

 どうやら……風邪をひいたらしい。

 子供達の攻撃で濡れたまましばき続け、その後乾かす暇もなく王城へ帰還し、報告書を作り上げて故郷へ……。

 そんな激務を繰り広げたせいだろうか。

 こういった内から来る寒さは変身しても耐えられないから困る。

 毛皮は体調不良まで防いではくれないのだ。

 部下からは「病になるほどの激務を一日で……!」と尊敬されたが。

 ……なんというか、良い迷惑というやつだ。

 仕方が無いので能登には謝罪だけして帰ろうと思っている。


「ごめん朧、お待たせ!」

「銀河……! 大丈夫えっくし!」

「凄く大丈夫そうじゃない挨拶ね!?」


 杖をつきながらの為、到着が遅れた銀河。

 彼女の謝罪に対して問題ないと言おうとするが、突如行ったくしゃみによって驚愕させてしまう。

 こんなつもりではなかったのだが……どうも上手くいかないらしい。


「その……任務で少し、風邪引いて……わざわざ職場から直接来て貰ったのに申し訳ないけど、今日はキャンセルでいいかな」

「任務で風邪……? 軍人も大変なのね」


 特務軍人はその素性を身内にも秘匿する。

 それ故に、能登は軍人であるということしか知らない。

 明かせれば笑い話にでも出来たのだろうが……ままならないものだ。


「仕方ない、じゃあそんな激務を終えた朧を、私が看病してあげるわ」

「え……? でも、銀河も仕事上がりでしょう?」

「良いのよ、病人は素直に甘えなさい! これが、いつも骨折治療を支援してくれているあなたへの、私からのバレンタインプレゼントよ!」

「……かなわないなあ」


 実は、パンが渡せなかった朧と同じく、銀河もまたディナーの店で限定メニューを奢ろうという目論見が潰えていた。

 領主館の秘書という仕事柄、地元グルメには詳しいため驚かそうと思っていたのだ。

 子供達のイタズラは、二人に揃って散々な結果をもたらしたと言えるだろう。

 だが……二人で体を支え合いながら歩き……。

 彼女達は互いにこうも思っていた。

 家で互いに過ごし、支えあう……。

 こんなバレンタインも、二人きりになれるという意味では悪くないのかもな、と……。

 こうして、チョコレートのように甘い一夜が始まろうとしていた……。

 ハッピーバレンタイン、良い夜を!

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