「おやおや、あなた一人ですか……」神聖なる玉座に一人の光の騎士が転移されたきた。
「私からも同じことを返しましょう……」ジュウロウは既に丘を上り、この地で一番高いとされる桜の木の下にいる光の騎士を見上げた。
それはそれで不信感だ。彼の性格上、勝手に我が神の城に乗り込んできてそんな言い草だ。
相手は黄金の鎧を纏い、もう勝利に浸っているような感じであり、長年の時が過ぎ誇りの欠片もないのかとジュウロウはがっかりだった。もしかしたら襲撃した理由は破壊の神をよく思っていない派閥やなんやらの理由も可能性がある……だがこの選択に神々は関係していない。
王家の神々はそうとは思わず、破壊神がとった行動は正しいと思っている。
この地には桜の香りが漂っている。緑が広がり、その丘の上には一本の桜が立っているだけの地だがジュウロウが希望した空間だ。
そしてこの空間に敵の足を踏ませないと決めたが今この時、一人の敵にこの地を踏まれた。
「貴様みたいな武士に何ができる?我々は破壊神の命を頂戴すること……貴様はその通り道にしか過ぎない……もし嫌であったら上に行く道を素直に教え――」
「おい、誰が貴様になんぞ教えるものか……勘違いをしては困る。ここに来た以上は死を待つしかないと言うことだ。独立国であり、同盟を結ばす、両者襲撃などを起こしてはいけないと……この地を襲撃した暁には全滅するからだ……」
他の領域に住む者はこのことを当たり前のように理解しているから今まで各領域での争いなど起こったことはない。
だが今この状況で光の軍勢は皆殺し、後で神々が何て言われようが、襲撃したからだと言えば済む話……それ以外のことは他の神々に任せてばいい。
破壊の神の命をもらうなど不可能、神でも無理なことを神の騎士たちに任せるとはな。
「アハハ!そう言っていられるのも今のうちだ……」光の騎士は剣を抜いた。
今までの時間でいくらでも仕留めることはできた。恐らく奴の目ではジュウロウの動きは追えることはない、かといって久しぶりの敵と戦うジュウロウはすぐに終わらせるのも惜しいと考えていた。
相手の手のうちを全て明かしてから殺すこともいいと今殺し方を考えている。
剣を抜く相手ではないが、仕方なく鞘から刀を抜いた。
――《虚欲之王(ヴォイド・グリード)》
そしてすぐに空間系虚シリーズの一つ防御系能力を展開した。
これで空間が固定されたことによりあらゆる空間系能力の影響を受けず、物理攻撃も通さない最強の防具である。
最強の剣士が持つ、最強の防具ということだ。
「さぁ、消えろ!」光の騎士は刀身に魔力を流し、大きく振りかぶった。
まさか、単純な斬撃か……。
「死ねぇッ!」黄金に輝く光の斬撃が激しく揺れ、ジュウロウに放たれた。
そして斬撃はジュウロウの少し前で消滅した。
「なッ……えぇい!」見間違いだと思ったのか、もう一度剣を振り斬撃を飛ばした。
だが一度見た光景が再び繰り返されただけだった。
「無駄なことだ……今の私には物理攻撃や魔法攻撃も効かないぞ。さぁどうする若造?」勝ち目は最初から決まっているが、ジュウロウは楽しむことにした。
「ふッ、私の攻撃がこれだけだとでも……」
「まぁ、そうでないと困るよ……」ジュウロウは刀をその地に刺し、それを眺めた。ジュウロウは密かに《虚欲之王(ヴォイド・グリード)》を解除していた。
その瞬間だった……。
光の騎士の姿がそこにはなかった。
「……なッ――」目を疑ったが、ジュウロウはすぐに殺気を掴み、剣を横に構えた。
そしてすぐに姿を現し、剣を振った。
なるほど……身体強化か、一瞬ビビったが殺気を感じ取れる私にはどんな速さでも無意味だ。
その理由は序列2位であるワ―レストとも戦闘をしてきて、人間の速さなどで戦えないということはないのだ。
「そろそろ分かったか……貴様に私は倒せないということが……」
「そんなバカな!」
だが光の騎士であれば、もうちょっと苦戦をするはずなのだが……。一人の光の騎士でも十分に戦えると思ったのだが……。
「本当にそれが限界なのか?光の騎士というのはもうちょっと強いを私は思っていたのだが……」煽りも混ざり、ジュウロウは肩を付けようと思い始めた。
「俺は、光の騎士だ!」怒りを露わにし、剣を振った。
だがジュウロウは難なく止め、その顔を見た。
「貴様は、騎士として欠けている。実力も誇りも……今の貴様はただの略奪者だ」何の理由もなく襲撃とは、許されるものではないがな。
戦う相手が騎士なら、手練れなら、相手の存在でスタイルを変えるのがジュウロウだ。
「貴様ぁぁぁぁぁッ!!」
まぁ、ただの暇つぶしなんだと最初から思っていた。
ジュウロウにはどんな攻撃もその刀で受けられ、魔力や異能の力は無の力で打ち消すというもので勝てる存在はジュウロウより戦闘力が上の魔王や神しかいないだろう。
つまりジュウロウの実力であれば、魔王や神を殺す力があると言うことだ。
そして危険度は人類で5本の指に入る一人である天災級(カタストロフ)ということだ。
「一からやり直すことだなッ!!」ジュウロウは刀を握り、華麗に一振りを見せた。相手の速さとは全くの別の速さ、ゆっくりと刀を振ったのだ。
「があッ……」名も知らず光の騎士は血を流し、ジュウロウの横に倒れた。
この戦いは完全なる無意味であった。
「あとはソージ達が勝つだけだ……ジュウロウ、ほぼ全軍を殲滅したが、上空に妙なものがいるんだ。ちょっと来てくれ!」ワ―レストからの伝達。
ジュウロウは足元に転移の魔法陣が展開された。
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