「ふぅ~」大浴場という名だけあって本当に広いのが特徴だ。
いくつも湯があり、壁にあるドラゴンの口から出ている。
「それにしてもいいねこれ……」とすぐ横でソピアの声が聞こえる。
「あぁ、だけど何でお前が一緒に入ってるんだ」俺の横には確かに妹がいた。
「まぁまぁ、いいじゃん……」
それにソピアの胸の中には金髪ロングのパーレルゲンがいた。
「えッ……」魔力を感じ、横を向くとレイムがいた。
「まッ、まさか――」ソージは後ろを向くとロナがニヤリと怪しげに立っていた。 ロナの魔法で対象を転移だと……。
「レイムゥゥゥ」とソピアはパーレルゲンを離し、次はレイムに飛びついた。
「うッ……」
「おいおい、抱き着くのはほどほどにしとけよ……」
もう既にわちゃわちゃとファミリーのようだ。
「レイム様、楽しそうですね……」とロナの背後でシールとピールはその光景を眺めていた。
そして夜が過ぎ、次の日になった。
ディスラクシェント国の入り口に最破達とレイム達が集まっていた。
「レイム様ぁぁぁッ!」とシールとピールは泣きじゃくんでいた。
「そんなに泣かなくても、すぐに会えるし……」
「ではレイム様、これを……」レインが渡したのは緑色の小さな正方形に金ぴかの小鳥が乗っているぱっと見ちっちゃなオブジェだった。
「これは……」
「これは、魔王の場所を突き止める魔道具ですが、一様持て行ってください……」
「レイン、こんなんで魔王なんか見つかったら苦労しないんだよ」とレイムの横でロナが口出した。
「まぁ、そうですが、位置から探すよりマシかと思いますが……」
「その辺にしてッ、さぁ、行こうか……」早速レイムは魔道具を起動した。
「【ホホ~、魔王感知……シズゼリア領域ッ!シズゼリア領域ッ!】」
「シズゼリア?……」
「まさか、あの最大領域に魔王が……」
「でも、行って見なければわかりません……」とロナはさっきまで批判してたくせに正論を言った。
「わかった。じゃあ皆後は頼んだよ!」共にするのは、ソージ、ソピア、サリア、ロナ……それ以外の最破達に笑顔を見せ、4人と一匹はシズゼリア領域に向けて――。
「まぁ、ディスラクシェント領域を抜ければ、隣なんですけどね……」
「一番近い領域に魔王が……」
今、神と勇者達は旅立った。
そして空に浮遊する大魔王の城。
「エマ様……状況によっては最古の魔王様や新世代の魔王様達も招集するおつもりですか……」暗き玉座に座る影とそれに跪く、赤く長い髪の女性がいた。
「最古の魔王の現状は崩れそうだ。5人のうち3人がちゃんとしているが、後の2人は神に封印され、もう一人は私でもわからないとはッ全くどうなっているんだか……それで本題に入ろう……」
大魔王は玉座から立ち上がり、窓から光指す所へ数段下がり、女性の前で止まった。
その容姿は同じく赤髪ロングだが、頭から角が出ている。
「フィナ、あちこちで我が把握していない魔王軍が出ているが、最古の魔王でなければ、新生代はまだ魔王軍という軍勢の個体も確認されていない……だが出現する魔法陣は赤色ときた……それを探るのが今の目的だ。これは我々を誘導か、それとももっと別の……その奥の存在はとっくに検討はつく!このまま上手く進めば、全面対決だろう……」
大いなる玉座で頬杖つく少女、だがその覇気は桁違いもいい所だ。
「その通りでございます……」
「忌まわしき神々共……だが破壊神だけは違った。そして3000年前の大戦の時……我の目がおかしくなければ我は世界の真実というものを一瞬見た……。そして今現在この世界、世界の真実を知り、それを自分の者にしようとしている輩が……」
「エマ様……」
「何だ……」
「全面対決はもう一つ可能性があります……」
「わかっている……今代の破壊の神……当本人が知らずとも大戦を経験した最破達も我々と同じようなことを考えていることは確かだろう。いや待て……奴は娘を……では今代が動き出せば、奴も……」
「可能性は高いかと……」
「では、フィナと他の幹部は予定通りに……」
「御意……」
「フハハハッ!さぁどのようになるのか、高見の見物と行きましょうか……」と幼き大魔王は高笑いをし、窓から地上を見据えてるのであった。
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