破壊と再生のプリンセス/Infinite[Heros] - 原初からなる壮大な無限英雄譚 -

――自分を知り、使命を知る。英雄、それが少女の成るものであった!
七理月_(._.)_
七理月_(._.)_

14 『妖緑の魔王』

公開日時: 2020年9月1日(火) 18:30
文字数:2,531

レイム達は早速町を出て、魔道具を作動させた。


 すると魔道具は領域の奥側と指定した。


「よし、みんな行こう!」


 シズゼリア領域は豊かであり、人間や獣人や妖精やエルフなどがにぎわい、領域中に生えている木々から実になる食べ物はシズゼリアの代表的料理として使われたりする。


 味はというと、レイム曰く新鮮で甘くデザートか、ヘルシーで野菜でもある不思議な味なのだ。


 シズゼリア領域が緑に包まれているのは、領域から流れる自然エネルギーのおかげだ。


 魔王は領域の制覇などは何回かあった。記録としてはシズゼリア領域・エレクシア領域の二つだ。


 ぶっちゃけ言うなら常闇の夜空であるネルトシネアス領域は魔王の領域と言っていいだろう。


「最近では新世代が増えてきて、上も大変でしょうね……」と自身が魔王のようにロナは嫌味を吐いた。


「まぁ、多いのはそうだけど、神々が対処しているから……」


「しかしレイム様、もし神々の制御が不可能となったら、どうします?」



「それは、神々に制御できないだったら、私達でも無理だね。だけどその前に増えすぎた新世代の魔王達のことを最古の魔王達が黙っていないと思うけど……」


「まぁ、そうですね。管理が不十分と言うか、ちゃんとしろと言うか……」何か恨みでみあるの?と聞きたくなるほどにロナの愚痴のような代物は続いた。



 そして奥にの入り口がわかるように目の前が普通の大きさの木ではなく巨大樹になっている。


「ここからが奥地……」


「本当にその魔道具が合っているのかですよ。まず!」



「そうだね……魔王がここに……最古の魔王ならいいけど……」


「えッ、急に最古の魔王……」


 まぁ、急に魔王に出くわすのは少し抵抗があるが、新生代などは自身が築いた城などはないから……。


 

 そして奥地へと入り、しばしば進んで行った。


 すると周りがほんわり暖かさに包まれ、空気が一変した。


「この感じは神の聖域が近いようですね……」近いと言っても、永遠に溢れているためここまで神聖なエネルギーが満ちているのだ。



 その瞬間だった。


 暖かさのエネルギーの中に感じ、少し寒くなる感じがした。


「これは……」


「レイム、魔王だ!」


「うん!間違いない……」


 魔道具には強く反応がある。


 これは確定だ。勇者であるソージ達が魔王と言った時点で決まっていた。


 レイム達は恐る恐る奥へと進んで行った。


 大きな切り株の上に金色の長い髪に背中には妖精の翼がレイムと同い年のような容姿に白いドレスを見に纏っていた。


 魔道具は正常で、皆は嫌なエネルギーはあの少女から来ていることも感じ取れた。


 そうこの少女がまごうことなき魔王であった。



 そして魔王の少女はレイム達の方を向き、頷いた。


「ほう……この領域を統括していたが、まさか勇者が来るとは……そして破壊神、今で五代目か……」

 


 すっと、自身の何倍もの高さの切り株から降り、ゆっくりと草を裸足で踏んだ。


「なるほど、それが君の運命か……」


 レイム達を警戒することなく、近づいた。


 その瞬間、レイムは知った。


 これが発する力の量が桁違いだと……その脅威はさすが世界最大の領域を統括する者だと、最古の魔王に匹敵するほどに……。


 少女は全員の顔を見た。



 そして……。


「おっと、自己紹介がまだだったね」少女はドレスのスカートを摘み、お上品にお辞儀をした。


「私の名前はシュナ・リアミリティ__『妖緑の魔王”命魔の詠唱者”』新世代の魔王の一人と言った方がいいかな……」


 レイムと同等の魔力量を誇る個体はさすが魔王だ。


「それでここにいるのは、光の勇者と破壊神……これは私を倒すということでいいんだよね……」



 その瞬間、周囲の空気がガラリと変わった。


「あぁ、この世界を蝕む魔王を神と光の勇者が黙っていると……」とレイムはやる気だった。


「そうか……」



 その時、シュナはレイムの顔を見て、驚いた表情をした。


「まぁいいだろう。先に言っておくが私はお前達を殺さない……それだけは約束しよう」そう言い、シュナは掌に力を込め、上にかざした。



 その瞬間、込めた力が周囲に威力を成して、散らばった。


 レイム達は即座に武器を構え、無数に散らばる力を剣で粉砕し、かわした。


 やっぱりパワーが凄すぎる!


 周囲に散らばった力でも剣が弾きかえられるほどの力があり、本当に殺さないのかと思ってしまう。


「くッ――《破壊(ディストラクション)》!!」レイムはすぐさま黒い魔法陣を展開し、破壊光線をシュナに放った。


 魔王でさえ、受ければただじゃ済まないのが破壊の力だ。


 レイムが放った破壊の力はシュナに命中したと思ったが、防壁で破壊の力を防いでいたのだ。


「なッ、そんな……」


 

 さすが魔王と言ったところか、だがこの力は新世代の魔王を超えている。


「さぁ!さぁ!どうするぅ、本当に私に勝てるかな~」



 出会った瞬間から、普通に話しかけてきた……それはもう既にレイム達の戦闘力を把握していたからッ――だけど一回の攻撃で不可能なんて思わないッ!!


「貫け!《破壊(ディストラクシェン)》ッ!!」


 今度はシュナの全方向に黒い魔法陣を展開した。


 命中し、地面が広範囲に崩壊した。



 だが距離を取るわけにはいかない!


 レイムは剣を構え、シュナに迫った。地面を蹴り、魔王の力を辿り、剣を振り下ろした。


「ハァァァァァッ!」


「フンッ――」


 翠色の短剣でレイムの破壊の剣を弾いた。



 だがこれで終わりではない。


 地面から黒い手が無数に現れ、シュナの包んだ。


「みんなッ!」レイムが抑えている間に魔王の弱点の属性である光を討ち込むのだ。


「「「あぁ!」」」


 ソージとソピアはシュナに迫り、サリアは弓を引いた。



「くッ、力がッ……」レイムが操る破壊の手でさえ拘束が揺らいでいる。


「レイム、私も手伝います!」サリアの氷の力で破壊の手ごと氷に閉じ込めた。



 これで拘束は強くなったが、氷と破壊の力の強度を二人が斬れるかにかかっている。


「行くぞッソピア!」


「うん!」


 先にソピアが剣を強く握り、大きく振りかぶり、そして――。


「ハァァァァァッ!!!」氷は砕けたが、まだまだだ。


「うォォォォォッ――」そのすぐ横にソージが剣を入れ、どんどん奥に食い込んだ。


「「行けェェェェェッ!!!」」


 氷と破壊を斬り裂き、二つの剣は一番下まで刀身は流れ、二人の手には手ごたえというものが、はっきりと伝わった。

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