「はッ――――」レイムは目が覚めると豪華の部屋のベットに横たわっていた。
「ここは……」辺りを見渡すと窓側には見たことのある人物の後ろ姿があった。
「気が付いたか……」
「ザレム様……」四代目闇を司る神だ。
「ラウルが勇者達をお前の所に寄こしたのは理由は何となく理解したが、いくらお前でも最古の魔王と戦うには時期が早すぎると思わなかったのか?」
「いえ……そんなことは……」
「我々は違うが、周りの神々は破壊神という存在は嫌な存在だと言うことはお前も分かっているだろう!だったらそんな目立つことなどせず、領域内でッ――」
「嫌ですッ!!」
それが嫌味ではないことも分かっている……だけど自分で行動した結果があれに繋がった。
最古の魔王と接触を可能とし、最破達の計画も少し存在を知っていたからソージ達と……。
「始めたことをやめるわけにはいきません!ソージ、勇者はどこにいるんですか!」
「すまない、勇者はここにはいない……お前だけを連れてきたからな……」
「では、もう失礼します……」
「おいッ!」そうザレムが投げかけたが、もうレイムは部屋を出ていた。
この感じは、初めての感じだ。
ここはどこ……。
豪華な廊下が続き、窓からは綺麗な街が広がっている。
「早く、ソージ達の所に行かなくちゃッ!」レイムは出口を探して走った。
それにしてもこんな豪華な屋敷は人間、いや他の種族でも無理なこと……すると出口があった。
透明な扉で、文明の高さに驚き、そのまま自動的に開いた扉に走った。
その時だった……。
「レイムッ!!」
「ッ――――」
その声を聞き、咄嗟に動きを止めた。
そして気付いた。
ここは、神界……王家の領土内だと言うことが……。レイムはゆっくりと振り返るとそこには赤く長い髪の女性が立っていた。
「母さん……」そう何年ぶりであったが、覚えている姿……暖かく、いつも笑顔で不機嫌な表情を見たことのない人……。
情熱があり、燃え、戦いの実力は炎の神の代で初のランキング1位の実力者である。
「レイム……久しぶりだね」甘く、暖かい声で接してくる。
「うん……本当に……だけど今は急いでいるの……私はこの世界の真実を知るために……」
「そう……」
「母さんは思わないの……この世界が何かおかしいっていうこと……」
「知ってるよ……。長年の時を生きている私は、何度もそう思い、だがそれは決して禁忌であること……裏切りの神……」
「えッ……」
それを聞いた途端、レイムの目から涙がこぼれた。
その言葉は破壊神という存在を差し、嫌われ、恐れられ、避けられているものだから……。
「何で、そんなこと言うの……母さんまでレイムのこと……」
するとレイスは首を振った。
「違うの……裏切りの神と呼ばれた二代目様の行動は世界に裏切りと思われることをしたと思うけど、それはあとから気付いた……世界の真実を暴くために……破壊の使者たちだったらもうそんなことはとっくにわかっているから動き出したのもわかっている……」
「本当に……」
「だからもう一度レイムの顔を見たくて……」レイスだけじゃない四代目たちは真実というものを嘘だとは思わず信じているのだ。
レイスはレイムに近づき、頬に触れた。
「泣くのは、目的を果たしてからだよ……この先神でもわからないことが絶対に存在する……だけどレイム達ならやれると信じている……まずはこの世界を……」
「えッ……」最後に奇妙なことを口にした。
「よしッ!じゃあ行ってらっしゃい!早く、仲間の元へ……」レイスはそう言い、レイムを送り出した。
「はいッ!」背中に漆黒の翼を生やし、空高く飛び上がった。
まずはみんなと会わないと……。
「ロナッ!ソージッ!」伝達魔法でも応答がない……。
レイムは圧倒的な速度で神界を出て、地上を目指した。
最古の魔王リビルとの戦いだったのに……急に記憶が消えているんだが……。
「ロナッ!ソージッ!」
またしても応答がない……。
レイムはリビルと戦闘した所へ向かった。
「確かに跡はあるけど……」レイムは辺りを見渡した。
だけど誰もいない……どこにいったのか、まさか最古の魔王に全員倒された!?それも十分あり得るが……。
「糞ッ!どこに……」
「まぁ、見つからないだろうね……」
ふと声が聞こえた。
いや頭の中からと言った方が正確だ。
「誰ッ――」
「珍しい存在だね……まぁ、破壊の力を感知した瞬間から予想はしていたけどまさか五代目破壊神が……」
その瞬間、風景が変わり、草原になった。
「えッ……ここは、どこ……」
「ここは、私の世界……創造という力を司る魔の王の住処だ……」
優しく、囁く声は遠くから声が聞こえた。
その声はだいぶ距離があり、レイムはその方向に目を向けると木材の屋根の下に純白の長い髪の女性がテーブルの上にあるカップに手を伸ばし、口に運んだ。
いつの間にか草原、いや小さい孤島にいた。
壁がない家というべきか木材の床い四本の柱に屋根。
「ふぅ~、まぁこっちに来い。
少女がこんな真夏のような日差しの下にいたらすぐに黒焦げになるぞ……」
からかいののような言葉を並べて、レイムに投げかける。
レイムは警戒し、恐る恐る近づいた。
「さぁ、座るがいい……自身の研究が煮詰まった時にこうやってやっている」
ストンと座り、レイムもカップに入っているものを口にした。
「にがッ……」
「ハハッ、君にはまだ早かったか……」
全く、立派な大人の女性にからかわれ、相手の存在を自分は知らないが、あっちは自分の存在をしている状況だ。
何でもできそうで、容姿は異性ならすぐに……黒髪の自分とは真反対の美しい髪で、美女だ。
「さて、自己紹介をしようか。
私の名はレジナイン。
最古の魔王序列三位”創造の魔王”であり”全能の統括者”レジナイン・オーディン――――」
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