破壊と再生のプリンセス/Infinite[Heros] - 原初からなる壮大な無限英雄譚 -

――自分を知り、使命を知る。英雄、それが少女の成るものであった!
七理月_(._.)_
七理月_(._.)_

7 『光の勇者』

公開日時: 2020年9月1日(火) 18:19
文字数:2,154

 12年前の話……。

 四代目風の神シゼル・レギレスと四代目レイス・レギレスの間に生まれた生命が破壊神の力を宿した五代目破壊の神レイム・レギレスだった。


 だが名を付けたのは、今でもわからない。


 《破壊剣ルークレム》を渡されたのは物心がつき、10歳でその手にやってきた。



「レイム様……この剣を……」


 最破の一人、右翼の壱ジュウロウ・ハリアートである。


 和国出身の武士であり、6000年前から破壊神の元にいる人間。腰には最強クラスの神器である《無刀・斬理刀(きりとう)》を所持し、非常に珍しい源は無というものだ。


 破壊神の最高位幹部軍団である”最破”は右翼と左翼などに分かれている。


 ジュウロウは最破の中でトップクラスの実力であり、種族は人間であり、人間種の中では最強かもしれない。



「これは……」純粋無垢な少女は問いかけた。 


「貴方様が持つ武器でございます。どうか、歴代の神を超える力とまだ誰も到達したことない次元まで行けることを我々は祈っております……」



 それは、今思えば最破達の願いだ。


 誰も到達したことのない……それはどうゆうことか……。


 世界の頂点?……世界の先?……。



 そして剣を抜き、稽古が開始した。


 ギャラリーには暗黒騎士や最高位配下である最破や他の配下はそれを見守っていた。


 レイムはゆっくりと剣を抜き、ぎこちなく漆黒の剣を構え、ジュウロウも神器《無刀・斬理刀(きりとう)》を抜き、構えた。



「いざ、参るッ――」ジュウロウは叫び、一歩も動かず剣を振り被った。


 普通ならある程度離れているレイムには当たることはないが、相手が神器、そして手練れであれば注意は怠ることはできない。



 その場で剣を振り被った!斬撃を飛ばしてくるッ!


 10歳のレイムは腕を伸ばし、剣先をジュウロウに向けた。



 何、ふざけているつもりはないようだ。


 私の実力を超える者の攻撃が我が力で完全に打ち消すことはできないが、今のレイム様の攻撃は私には通用しない。



 だが、必ず超えられてしまうだろう……私が今までの時を修行に費やし、加護をもらった後で強さを求めた者の力をレイム様は簡単に超えてしまう。


 そしていつかは守られるかもしれないな……。


 ”最破”右翼の壱ジュウロウ・ハリアートは二年前のことを思い出し、空を見上げていた。


「ジュウロウ……最破は直ちに第五に集まってください……」と背後から来たのは、ロナだった。


「あぁ、わかった……」



 ここは、ディスラクシェント独立国である。


 世界最大の領域であるシズゼリア領域と隣に位置しているがその大きさは他の領域より最小だろう。


 漆黒の城が天まで届くほどに高く、その下には機人種やドラゴン種が暮らす一つの独立国であり、国の周りには美しい花が咲き誇っている。


 独立国の中心にそびえ立つ破壊神が住まう城の内部には最破が守護する階層が存在している。



 そして第5階層は【悪魔の教会】と呼び、悪魔が賜る教会である。


 そこで最破達による会議が始まった。


「魔王軍のことだが、あれば結局どうなるんだ……」


 この地の管理者である大悪魔ディリア・ブラッドが真っ先に問い掛けた。容姿は青年で黒いスーツを見に纏っている。


「そうだね。複数いる中でやはり大魔王だと思うが、今回の幹部があの強さなら幹部ではなく魔王と呼んだようが適切だ」


 全くその通りだ。


 だが大魔王があんな強い幹部を隠していたのか、いやそんな情報はなかった。巨大な一角であるが、情報での動き掴めていない。


 エマ・ラピリオン


 この世界で大魔王と呼ばれる存在の名前である。


 全ての魔族と魔王の頂点に立つ存在であり、魔王の数は今は、指で数えられないほどである。ある程度力を持った存在や才能などそして支配欲など魔王にふさわしい存在の体に魔王も紋章が浮かび上がるのだ。


 多発でもないが、10年に二つくらいだ。


 魔王になると能力を持たない者でも進化のように力を増し、最古の魔王にも戦いを挑む者もいて魔王ランキング第五位以上の座を狙っている。


「展開されたのは、赤い魔法陣だが紅蓮の魔王、大魔王とは思えない。他の魔王であるならば……」天才的な頭脳派は最破の中に数人いるがその中でトップなのは右翼の弐であるワ―レスト・ゼロログである。


「もし他の魔王であり、予想以上の力ならばまた大戦が起きるかもしれませんね……」右翼の参である大魔導士レイン・レペレストは呟いた。


「そしてもう一つ報告だけど、新しい仲間とは言わないが、光の神がこちらに無断でよこした……」レイムの側近であるロナはそう言った。


「んッ、何だ……」ジュウロウはロナの何とも言えない表情を気になった。


「光の勇者三人だ……」とロナから衝撃的な答えが最破全員の耳に届いた。最破達が仕える神が裏切りの容疑をかけられ大戦に勃発したりそんなことはあったが、嫌いであるのは神々六人以外の神だけである。



「何故、光の勇者たちが……」


「さぁな、だがわかるだろう……もう外に来ている」


「じゃあ私が迎えに行ってきます……」と服装は女性の使用人が着る身なりであるが、彼女も最破の一人である。ディスラクシェント城内の使用人を統括者である。黒い髪に腰には初めて作った神器、細剣を装備している。


「あぁ、リツリ頼む……光の勇者たちをここへ……」


 そしてリツリは少し歩き、転移魔法陣の足元に展開し第一の地のエントランスへと向かった。

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