「我が名はライラック! 最強と謡われる誇り高き四大聖騎士の一人だ!!」
「ひええええーーーーーー!! ちがーーーーう!!」
俺はその場で蹲ろうとしたら、急に金縛りから解き放たれる。
そして、必死に逃げ回だした!
でも、恐怖と混乱でさすがに足に力が入らない!
なんでこうなるんだーーー!!
て、いうか! ここどこーーーー!!
「どこから来て、どこへ行くのかもわからないオニクボの息子よ! ここに王女の名の元に命じます! この国のためにこの橋を守りなさい!」
ソーニャはライラックから命懸けで逃げ回る俺に急に大声を発した。
一瞬、辺りの喧騒が聞こえなかった。
無数に飛んでくる大砲の弾や矢も音を失った。
俺はハアー……っと、ため息をついた。
それでも、何故か大きな声で「わかった!!」と答えてしまったていた。きっと、なんとなくほっとけなかったんだと思う。普通の鎧の人たちの奮闘ぶりを見ていると、全滅寸前なのに必死だったからか……。こんな俺でもまだ意地があったからか……。
「ぬおおおおお!! 取ったぞーーーー!!」
ライラックの剣戟が激しくなり、剣そのものが太陽光に反射して、きらりと輝きだした。
俺はライラックの剣から必死に逃げながら やっとのことで逃げ回っていたのに……でも、もう無理だろう……。俺は橋の手摺に近づいて観念した。
短い人生だったな……。
ここで俺は死ぬんだな……?
そう……わかってしまったんだ……。
「オニクボ!! 危ない!!」
ソーニャが急いで割って入ったが、ライラックの大振りの袈裟斬りの長剣を弾く前に、辺りに激しい火花が飛び散った。今度は、大女の大剣がライラックの剣を弾いていた。三人の激突に、だが、剣もない俺は何もかもすでに手放していた。
お手上げ状態だよ。
「おのれーーー!! 邪魔するなあーーー!!」
ソーニャと大女を掻き分けて、ライラックの剣が再び振り下ろされる。ソーニャと大女が加勢してくれている。そうこうしているうちに、俺は石造りの橋の手摺りから、呆気なくそのまま落下してしまっていた。
目を閉じると、しばらくしてザブンっと音と共に耳に水が入りだした。
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