うん! いつもの調子だ!
いけるぞ!!
「回復は任せろ! 私もいるぞ!」
「私も!」
後ろから、通小町と西田の声が聞こえた。
俺の身体で腐った怪我が淡い光に包まれた瞬間。徐々に治ってきた。
通小町の回復魔法だろう。だが……うん?
淡い光はいつまでも俺を包み込んでいた。
「へえ、嬢ちゃんたちの魔法。凄いな。次は、俺にも掛けてくれよお」
「ダメ」
「まあな」
「ふん。ケチだな……」
「ふふ……今のところ、強化補助魔法はオニクボくん専用なの」
「さっき、回復してやっただろ?」
腐敗していく廊下で俺のクラスメイトが揃った。
大量の白い煙がシュウシュウと消えていく。
「白い煙は西田に任せて、鬼窪とオニクボは全力で戦え!」
通小町の言う通り、白い煙は西田の転移魔法で別の空間へと転移していったのだろう。
これで心置きなくクラスド・エドガーと戦える。
「卵から生まれた臭せえ騎士や魔法使いとかは、俺に任せろ!!」
「わかった!」
オニクボが老人のシャーマンや騎士たちを相手にしてくれる。俺は再び祭壇へと降りていった。目指すわ暴君クラスド・エドガーだ。
薄暗い地下の祭壇には、クラスド・エドガーという名の巨大な蝿が佇んでいた。こちらに向かって、笑っているかのような不気味な顔をしている。
「これで! 最後だーーー!!」
俺は神聖剣を振り上げ、鋼雲剣を放った。
………
白い煙も消え失せて、静寂を取り戻した祭壇。
外の獣たちは、ソーニャやナイツ・オブ・ラストブリッジ、西方のガルナルナ国によって、一掃された。
白と騎士の国に平穏が戻ってきた。
この戦争は終わった。
さて、帰るか……。
元の世界へは戻れないけれど。
俺たちにはこのグレート・シャインライン国があるんだ。
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