ナイツ・オブ・ラストブリッジ

この橋は絶対守りきってみせる!
主道 学
主道 学

68

公開日時: 2024年1月2日(火) 23:18
文字数:694

 うん! いつもの調子だ!


 いけるぞ!!


「回復は任せろ! 私もいるぞ!」

「私も!」


 後ろから、通小町と西田の声が聞こえた。


 俺の身体で腐った怪我が淡い光に包まれた瞬間。徐々に治ってきた。

 通小町の回復魔法だろう。だが……うん?

 淡い光はいつまでも俺を包み込んでいた。


「へえ、嬢ちゃんたちの魔法。凄いな。次は、俺にも掛けてくれよお」

「ダメ」

「まあな」

「ふん。ケチだな……」

「ふふ……今のところ、強化補助魔法はオニクボくん専用なの」

「さっき、回復してやっただろ?」

 

 腐敗していく廊下で俺のクラスメイトが揃った。

 大量の白い煙がシュウシュウと消えていく。

 

「白い煙は西田に任せて、鬼窪とオニクボは全力で戦え!」


 通小町の言う通り、白い煙は西田の転移魔法で別の空間へと転移していったのだろう。


 これで心置きなくクラスド・エドガーと戦える。


「卵から生まれた臭せえ騎士や魔法使いとかは、俺に任せろ!!」

「わかった!」


 オニクボが老人のシャーマンや騎士たちを相手にしてくれる。俺は再び祭壇へと降りていった。目指すわ暴君クラスド・エドガーだ。


 薄暗い地下の祭壇には、クラスド・エドガーという名の巨大な蝿が佇んでいた。こちらに向かって、笑っているかのような不気味な顔をしている。


「これで! 最後だーーー!!」


 俺は神聖剣を振り上げ、鋼雲剣を放った。

  

 

………


 白い煙も消え失せて、静寂を取り戻した祭壇。

 外の獣たちは、ソーニャやナイツ・オブ・ラストブリッジ、西方のガルナルナ国によって、一掃された。

 

 白と騎士の国に平穏が戻ってきた。

 

 この戦争は終わった。


 さて、帰るか……。

 元の世界へは戻れないけれど。

 俺たちにはこのグレート・シャインライン国があるんだ。


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