「くっ! なんだと!!」
ライラックは悔しそうに歯ぎしりした。
「オニクボよ! 私たちの勝利は目前よ!」
ソーニャが叫んだ!
「おのれーーー!! オニクボよ! ここでお前だけでも必ず討ちとってくれるぞ!! この場で、貴様に一騎打ちを申し出る!!」」
ライラックは俺の方に剣の切っ先を真っ直ぐに向けた。
「私も戦うよ!」
「いや! ここは俺に任せろ!」
加勢をしたがる大女を下がらせ、俺はありったけの力を込めて神聖剣を握った。途端に神聖剣は眩く光り輝いた。
「ライラック! 橋を守るため! 仕方ないからその誘いに乗ってやるぜ! いくぜーーーーー!!」
ほとんど直観だったんだ。
俺と神聖剣にはまだ隠された力があるはずだって。
ライラックの懐へと素早く走ると、ライラックは大盾をすぐに構えた。俺とライラックの剣が交える。周囲がスローモーションのようにゆっくりと動きだした。きっと、俺の大量のアドレナリンのせいだ。ライラックの剣も光りだしたが、俺は神聖剣を下から振り上げた。
大盾を真っ二つにすると、ライラックは剣を構えて後ずさった。
瞬間。
俺はその場から地を蹴って、ライラックの腹部に神聖剣を突き放っていた。
血飛沫と白い鎧の破片が辺りに派手に飛んで、ライラックは地面に倒れた。
「はっ! コロ……コロ……」
「いや、ライラックはまだ生きているわ。オニクボよ。よくやった!」
俺の首にソーニャが抱き着いてきた。
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