ナイツ・オブ・ラストブリッジ

この橋は絶対守りきってみせる!
主道 学
主道 学

公開日時: 2023年9月24日(日) 00:06
更新日時: 2024年2月28日(水) 06:42
文字数:807

  「ひえっ!」


 それを見て、大女が大剣を構えこちらに駆けて来きた。


「加勢に来てやったよ!」


 助かった!


 大女の大剣が青い鎧の胴をなんなく斬り裂いた。青い鎧の人が倒れた。


「ヒッ! し、死んでる!」


 初めて死んだ人を見て、逃げ出したくなった。


 当然だが俺は逃げの態勢から、怖くて足が震えていた。正門まで後ずさりしていると、数本の矢が前方から飛んできた。矢は俺の脇を通り過ぎ、地面に次々と突き刺さっていく。


 なんとかなったが、もう後がなかった。


 う……。


 いつの間にか、戦いの間が城の正門まで近づいてきてしまっていた。白い鎧の少女が同じ白い鎧の男と戦っている。


「王族の名にかけて! 負けられない!!」 

「なんの!! 王女よ!! その命貰ったぞーー!! ぐわっ!!」


 白い鎧の少女の首元に白い鎧の男の一閃が繰りだされた。

 だが、近くにいた俺は、なんとなくほっとけなかった。とっさにずっしりとした白い鎧の男の身体に体当たりをしていた。


 あれ?? 体が自然と動いたんだ。


 白い鎧の華奢な少女は態勢を整えて俺の脇まで来ると。


「助かったよ! 君! 君は、なんて名前? どこから来たの?」


 白い鎧の大男の方が脇腹を抑えながら剣を構え直すと、俺を睨んだ。


 俺はさすがに震えだしてしまった。

 もう、体が動かないと思った。


 誰だ??

  

 こいつ??


 俺はさすがに震えだした。

 もう、ほんとに怖く手足が動かないんだ。


「……お、鬼窪……功一……」

「……変わった名前ねえ。鬼窪?! え? !確か聞いたことあるわ!! その名前!! あ、私はソーニャよ」

「へ??」


 俺たちの話を聞いていたのか、白い鎧の男は急に真っ青な顔になった。


「ま、まさか! その名前!! お前! 黒の骸盗賊団の頭領の息子か!!」

「はあっ??」

「そういえば数年前に行方不明になったと聞いたぞ! よりにもよってラピス城にいたのか?! 成敗して名を上げてやるぞー!」

「わっ!! ひっ!!」


 な、何! なんだ?!

 俺の名前に何が?!


 白い鎧の男が俺に突進してきた。

 俺は恐怖した。


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