「グォォォォォォォッ!!」
大男は怒り狂ったように声を荒げる。
ボタボタと落ちる血液が、右腕があった場所から垂れていた。
呼吸は荒く、眼光は鋭い。
痛みは感じていないようだった。
肘から上が切り落とされているにもかかわらず、それを庇う様子さえなかった。
…どっからどう見てもバケモンだ…
大男が人間じゃないことは、頭の中ですでに認識していた。
人の形をしている“何か”
けれどその「何か」が、具体的な言葉の中には出てこなかった。
見たことがない外見。
感じたこともない気配。
得体の知れない“怪物“が、ただ、目の前で動いていた。
——それ”以外“には。
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