ドチャッ
…え?
少女の右手は、すでに刀を抜いていた。
少女の背丈くらいはありそうな長い刀身が、日の光を反射している。
大男はすでに右腕を振り下ろしていた。
振り上げていた腕が滑り落ちるように少女に向かい、ぶつかる。
少なくともそう“見えた”のは、すでに避けられない距離に、2人が交錯していたからだ。
宙に舞う、切り離された右腕の先端。
——それが、瞳の中に映るまでは。
「…嘘…だろ…?」
頭の中がパニックになった。
…だって、手が…
腕が、切り落とされてる…!
切り口から血が滲み出ていた。
骨と思わしき物が見えていた。
それが一体「何」であるかを、即座に理解することはできなかった。
大男の腕が、突然地面の上に降ってくるなんて…
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