「アレは魔導兵って呼ばれるモンスター」
「モンスター??」
「人間じゃない。“元”は人間だったけど」
人間…じゃない。
それはわかってた。
けど、それを平然と説明してる彼女が、信じられなかった。
”モンスター”
定義は色々あると思う。
身体能力が優れてる人とか、性格が破綻してる人、ある特定の分野に突出してる人、その他、諸々。
あくまで比喩の延長線上で、実際にそうってわけじゃない。
他の言い方だってできる。
スーパーマンとか天才とか怪物とか、色々さ?
本物の「モンスター」なんて存在しない。
そんなの、いちいち考えるまでもないことだった。
それなのに。
「…どういう意味?」
「そのままの意味だよ」
「そのままって…。あり得ないでしょ」
「どうしてそう思うの?」
「あり得ないからだよ」
「でも、見たでしょ?」
「見たけど…」
確かにそうだ。
見た。
でも、…うーーーーーん
あり得ない
あり得るわけない。
そんなの、絶対。
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