街中のある路地。
そのど真ん中。
半径2メートル圏内で対峙している人間2人。
…いや、片方は、「人間」と呼ぶにしては遥かに巨大な体躯を持っていた。
ゆうに3メートルは超えるだろう。
周囲の人間にはその姿が見えていない。
対峙しているもう片方の人間、——1人の女子高生を除いては。
「アタシに何か用か?」
長い黒髪に透き通った肌。
瞳は限りなく透明に近いブルー。
腰に刀を携えていた。
“刀”を。
思わず、目を擦ったんだ。
女子高生が、そんなものを腰につけているとは思えなかったから。
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