「グァァ…」
巨大な大男は少女の言葉に反応していた。
…反応?
それにしては様子がおかしい。
…というか、あれは人間か…?
黒色のシルクハットの下に見えたその“顔”は、人間の肌の色をしていなかった。
色。
形。
そして、——目。
「うわ!」
声を上げてしまったのは、条件反射だった。
それが「人間」だと認識するには、あまりにもかけ離れた見た目をしていたからだ。
「“最下級魔導兵(クラスファースト)“一体で、どうにかなるとでも?」
少女は腰に手を回す。
視線は下に向いたままだった。
大男が、少女に向かって右腕を振り上げているにも関わらず。
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