子供の頃から感じてた。
「今日」がいつか。
「明日」はいつか。
昨日と同じ日が、ずっと続くものだと思ってた。
それは今もなんだ。
こうして、学校から帰る道すがら、穏やかな空の流れを見ていると。
昨日と同じ夢を見ていた。
そんな感覚に囚われるのは、なんでだろう?
雨上がりの空の下で、昨日と変わらない「空」が、そこにある。
きっとそれは、永遠に続くものなんだろうって思ってた。
明日も明後日もその次の日も、何も変わらないんだって感じてた。
胸のずっと奥、——心の奥で。
いつからだろう?
胸の中に残るしこりが、気にならなくなったのは。
今日はもう来ない。
そんな予感が頭に掠めて、ふと、振り返る。
その先にはもう何もなくて、ただ、道端の木の葉を揺らすそよ風が、さっと舞い上がるように吹いていた。
だから僕は放課後の後、自転車のペダルを漕いで街に出かける。
明日を追い越してしまわないように。
今日に追いつかれてしまわないように。
いつか見た夢の中の景色を、置き去りにしてしまわないように。
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