ボタッ
ボタボタッ
刀から滴る血液。
鋭い眼光。
少なくとも、目の前にいる人間が「女子高生」であることを、僕は認識することができなかった。
…いや、第一印象は間違いなく女子高生だった。
風に揺れるスカートも、赤いリボンも。
制服自体はここら辺の高校じゃなさそうだ。
だけど、そんなことはどうでも良かった。
彼女が何者であるにせよ、“普通じゃない”と思った。
ただならぬ気配を感じていた。
ただの人間じゃない。
そんな、——“悪寒”を。
「立ち上がれる?」
…へ?
呆然と見上げている傍ら、彼女は優しく囁いてくる。
こういう時、どういうふうに返事をすればいいんだろう
頭の中に掠めるのは感じたこともない緊張と、恐怖。
へんな感じだった。
いかにも強面でガタイのいいヤンキーが、突然笑顔で接してきた時のような…
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