そうだ。
ずっと感じてた。
嘘だって思うかもしれないけど、なんとなく感じてたんだ。
明日も同じ日が来るかもしれないってこと。
今日と同じ日が、“永遠に続くのかもしれない”って、心のどこかで——
「雨はいつ降ると思う?」
「雨?」
「そう。——雨。今日が何曜日で、明日が“いつ”か。そう考えたことは?」
…わからない
バタバタと制服が揺れる。
上空から見える車の往来と、——人。
今日の天気予報は晴れだった。
季節の変わり目の寒暖差が、来週やって来るそうだった。
「雨」は、そう、確か…
彼女はオフィス街のビル群を抜け、住宅地の一角にやってきた。
どうやら、この付近に住んでいるそうだった。
“アジト”
聞き慣れない言語が、また、耳のそばを掠めた。
トッ
電波塔の頂上に留まり、周囲を見渡す。
見える?
彼女がそう言いながら指差したのは、超高層のタワーマンション。
60階くらいはありそうだった。
まあ、ここら辺にはよくあるビルだ。
入り組んだ空路(電気自動車が通る道)の連なる区画に、何本もの円筒形の建物が並んでいる。
『堺町 2丁目』
「オオサカ・ステーションシティ」の東側にあたる場所だ。
巨大商業区画が、駅のすぐ近くにある。
先週遊びに来たっけ。
友達と、映画を見に。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!