都市伝説体験日記

杜都醍醐
杜都醍醐

ブラックアイズキッズ

公開日時: 2020年9月1日(火) 07:00
文字数:823

 私が学校から帰って来た時のことです。インガルス家の前に、子供が何人かいました。全員車を見つめていました。


「どうかしたの?」


 私は、子供たちの遊び道具が車庫に入ってしまったのではないかと思い、声をかけました。

 振り返る子供たち。


「ひぃい!」


 悲鳴を上げる私。だって子供たちの目には白目がなかったんです。目が真っ黒なんです。誰だって、ビビりますよ見れば!


「車に乗りたい」


 一人の子供がそう言い出しました。


「乗りたい乗りたい!」


 他の子供も一斉に、同じことを言います。


「ちょっとブラッドさんに聞いてきます」


 私は運転免許を持っていませんし、仮に持っていたとしても勝手にドライブなんてできません。玄関に向かいました。

 あと一歩のところで、私の足が止まりました。

 何故なら子供が一人しがみついているからです。


「乗りたい乗りたい! 乗せろっ!」


 一人が私のお腹に右ストレートを入れました。あまり痛くはありませんでしたが、他の子供も暴れ出します。


「ちょっと、やめなさい!」


 私が言っても何も聞きません…。おまけに足も腕も掴まれて、身動きもできません…。


「ブラッドさん!」


 私が叫ぶと、ブラッドさんがすぐに駆けつけました。


「おいお前ら! ぶっ飛ばすぞコラァ!」


 ブラッドさんが両手にリボルバーを構えていました。それを見ると、目が黒い子供たちは急に静かになり、蜘蛛の子を散らすように逃げて行きました。



 幸いにも、日本では目撃例がないこのブラックアイズキッズ。年齢は十歳ぐらいで、目が黒いのが特徴です。

 彼らが行うのは、要求です。家に入れろとか、車に乗せろとか、です。

 それを拒むと、口調が高圧的になったり、暴れ回ったりするそうです。何て自分勝手なんでしょうか…。

 正体は様々で、宇宙人説、ヴァンパイア説、幽霊説等があります。最近では、宇宙人と地球人の子供なんて説も…。


 確かに何事でも正体は気になりますよね。でも、ブラックアイズキッズの目的の方が気になってしまいます。果たして、何がしたいんでしょうか?

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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