これは二個下の妹が大学受験の時に体験した話だ。
「解答用紙は後ろから前に回して回収だったんだけど、ビックリした」
「何にだ、エミリ?」
俺は理解不能な問題か、異常行動を示す大学生のどちらかと予想した。しかし妹によると違うらしい。
「私の後ろの人、解答用紙の裏面に、フランシスコザビエルの高クオリティの似顔絵を描いてた…」
俺は爆笑した。
「本当にいるのかよ、そんな事する奴!」
このタイプの都市伝説は、バリエーション豊かだ。
妹はキリスト教系統の大学を受けていたからフランシスコザビエルだったが、違う大学や定期試験なんかでは、カレーライスのレシピを書いてパスしたって話もある。
正直俺は、その才能を別の場所で生かせばいいのにと思う。
試験時間内に似顔絵が描けるなら、美大を受験しろよ。何で全然違う分野に挑戦するんだ?
しかも受験本番で実践するな。受験日は決まっていて前もって把握できてるんだから、真面目に勉強すればいい。
カレーライスのレシピもだ。それを書いて乗り切ろうとする人には是非とも料理の専門学校に行くことをオススメしよう。
努力で勝利を勝ち取れば、ザビエルだって笑ってくれると思うぜ。
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