雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

めんま1/2

公開日時: 2024年7月24日(水) 21:47
文字数:1,875

 4度寝から目が覚める。

 隣ではまだ、上杉先輩はエロマンガを熟読していた。

 妹もさっき見た通り、床に座ってマンガを読んでいる。

 時計を見ると、もう12時だ。

 お腹が空いてきたので、昼ご飯を食べようと起き上がった。


「どこ行くの?」

 起き上がった僕を見て、上杉先輩は訪ねた。


「お昼ご飯でも食べようかと」


「お母さんたちは出かけたから、自分で作らないとダメだよ」

 妹が言う。


「そうなのか…」

 そうなると、お昼ご飯は、インスタント麺かな。

 僕は部屋を出ようとする。


「紗夜さん、私たちもお昼食べませんか?」

 妹が、上杉先輩に提案する。


「そうだね。キミ、なんか作ってよ」

 上杉先輩は、また僕に無茶ぶりをしてきた。


「今日は、もうインスタント麺にしようと思ったんですけど…」


「それでも良いけど、インスタントだけじゃあ栄養が足りないから、簡単なものでいいから何か追加で作ってよ」

 上杉先輩はエロマンガを置いて起き上がり、ベッドに座った。


「わかりました…。冷蔵庫の中を確認して、それで何かできるか考えます」


 僕ら3人はぞろぞろと1階に移動する。

 僕はダイニングへ、上杉先輩と妹はリビングのソファに座る。

「じゃあ、よろしくねー」

 上杉先輩はそういうと、TVの電源を入れて、妹と一緒にバラエティー番組を鑑賞し始めた。

 もう、上杉先輩の家みたいだな。


 僕は冷蔵庫を開ける。

 中身は余りないが、キャベツ1/4と玉ねぎ1個と豚肉を発見した。

 そして、メンマの入った瓶を見つけた。中を確認すると少しだけ残っている。

 ラーメンにちょうどいいだろう。


 念のため上杉先輩にお伺いを立てる。

「野菜炒めでいいですか?」


「いいよー」

 上杉先輩はTVから目を外すことなく答えた。


 というわけで、キャベツ、玉ねぎ、豚肉で簡単に豚野菜炒めを作る。

 キャベツ、玉ねぎ、豚肉を包丁で切って細かくする。

 フライパンに油をひいて、それらを炒める。醤油で味付け。

 と、同時に大きな鍋にインスタント麺用にお湯を沸かす。

 面倒なので、袋からインスタント麺を取り出して、3人分の麺を同時に放り込んだ。


 ダイニングテーブルの上に、どんぶりと皿を3つ用意。

 手際よく、豚野菜炒めをフライパンから皿に盛る。

 どんぶりにスープの素の粉を入れて、お湯を注ぎ、麺を大鍋から菜箸で適当に分ける。

 最後に、めんまを瓶から小皿に移して、完了。

 かなり適当だが、こんなもんで勘弁してもらおう。


 僕は上杉先輩と妹に声をかける。

「出来ました」


「おおっ! ご苦労」

 上杉先輩はソファからダイニングに来て椅子に座った。

 そして、豚野菜炒めを見る。

「美味しそうだね」


「あとは、味だね」

 妹が一言言う。


「まあ…、食べてみ」


「「いただきまーす」」

 上杉先輩と妹は豚野菜炒めを食べる。


「美味しいよ」

 上杉先輩は褒めてくれた。


「お兄ちゃんのくせにやるじゃん」

妹が言う。

“お兄ちゃんのくせに”は余計だけどな。


「まあな」

 僕は答えた。

 キャベツ、玉ねぎ、豚肉を炒めただけだ。

 これを、不味く作る方が特殊な才能がいるのでは?


 僕も席に座り、豚野菜炒めとラーメンを食べ始める。


 食べている途中、

「キミ、やっぱり料理人とか、やったらいいんじゃない?」

 上杉先輩が適当なことを言い出した。


「いや、それは検討していませんね」


「でも、才能ありそうじゃん?」


「うーん…」

 まあ、将来、何かやりたいことがあるわけでないのだが、料理人の世界って厳しそうだしな。

 怠惰な僕には合わないような気がする。


「紗夜さんの奴隷になって、一生、料理作ってあげなよ」

 今度は、妹が妙なことを言い出した。


「なんで奴隷なんだよ」


「アタシがさあ、将来、金持ちイケメンと結婚したら、料理人として屋敷で

 雇ってあげるよ」

 上杉先輩も妹に合わせて、変なことを言う。

 でも、奴隷から料理人に格上げされたな。


「何もしなかったら、お兄ちゃんの将来は引きニートなんだから、紗夜さんに雇ってもらいな」


 将来、引きニートにならない自信はないのだが、上杉先輩に雇われるのは嫌だな。

 などと考えていると、上杉先輩は小皿のメンマを箸でつまんだ。

「半分、ちょうだいよ」


 それを見て、妹もメンマを残り半分を箸でつまんだ。

「私も、もらうー」


 2人で1/2ずつ食べたら、僕の分、ないじゃないか…。

 2人へのツッコミが面倒なので、心の中で呟くだけで、残りのラーメンをすする。


 食事が終わって、3人でまどろんでいると、上杉先輩が思い出したように言う。

「そうそう、明日、恵梨香が部室に来てって言ってたよ」


「え? なんの用でしょう?」


「さあ。明日、わかるからいいじゃん」


「はあ…」

 呼び出しを無視すると後々面倒だし、気は進まないが明日は部室に行くことにする。

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