雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

進展無し

公開日時: 2023年12月20日(水) 20:35
文字数:1,925

 三連休が終わった。

 朝、起床するが疲れが残っている。昨日、卓球をやらされたせいだ。

 それでも何とか登校する。


 今日も、げた箱付近で毛利さんと会う。

 彼女に挨拶をして、一緒に教室に行き、席に着く。

 しばらくして、悠斗が教室に入ってくるのが見えた。彼は僕に近づいて話しかけてきた。

 聞くと、次のVRMMORPGをやる日程の調整がしたいという。

 話し合いの結果、来週は試験があるので試験の終わる最終日にまた、六角君と3人でプレイしようということになった。


 その会話を横で聞いていた毛利さんが話しかけてきた。

「そういえば、前にVRゲーム、やらせてくれるって言ってたよね」


「え? そうだっけ?」

 そんなこと言ったような気もするが。


「ちょっと、やってみたい」


「え!? そうなの?」

 毛利さんがゲームに興味を持つとは、予想外の事態にちょっと驚いた。

「えーと…。じゃあ、今日の放課後、うちに来る?」


「うん」


 ということで、放課後に毛利さんが家に来ることになった。


 昼休み。

 僕と毛利さんは、教室で一緒に弁当を食べている。

 弁当を食べ終えたころ、教室に予想外の人が尋ねて来た。

 新聞部部長の片倉先輩だ。


「やあ、ご両人」

 片倉先輩は、教室にづかづかと入って来て、僕と毛利さんの隣に立つと話しかけてきた。


「あ…。こ、こんにちは」


「例の怪文書の件で報告したいことがあってね」


「えっ?! 何か進展、ありましたか?」


「いや、その逆。まず、CROWNが盗まれたという件。トロフィーなどが無くなってないか各部活に確認してもらったけど、どこも紛失は無いってさ。あと、北条と赤松さんにも聞いたけど、イケコン、ミスコン賞品の王冠もちゃんと家にあるって言ってたよ」


「そうですか」


「それと、差出人の“P”について。海外にルーツのある生徒を当たってみたけど、該当者はいなかった」


「それは、残念です」

 推理が全部外れていたので、僕はため息をついた。


「まあ、そんなに落胆しないで。また、何かあったら連絡するよ。武田君も何かあったら教えてよ」

 片倉先輩はそう言うと、笑って教室を去って行った。


 そうは言っても、手掛かりがほとんどない状態では、捜査の進展は望めないのでは…。これは迷宮入りかな?

 あとは、成田さんが“北参道に通う者”かどうかだけど…、なにか手紙が届いたりしたないのだろうか? 今度また聞いてみよう。


 昼休み、午後の授業が終わり、放課後。

 僕は毛利さんと一緒に下校し、学校から徒歩5分の僕の家にやってくる。

 僕の部屋に入れて、ジュースとお菓子を出してあげる。

 

 早速、ゲームの説明をする。

 今回は、お試しということで、僕のキャラを使って探索をすることにした。

 僕のスマホをゴーグルを挟み、毛利さんにゴーグルを渡す。

 毛利さんは、ゴーグルを被って異世界の中に入った。

 彼女は異世界の中を徘徊しているようだ。


 しばらくすると、毛利さんが、

「きゃっ!」

 と、悲鳴を上げた。

 敵と遭遇したらしい。


「剣で倒して!」

 僕はアドバイスする。


「えーっ!? え? え? やられちゃう!」


 これはダメかな…。僕は苦笑する。

 しばらくしたら静かになった。


 毛利さんはゴーグルを外して、感想を言う。

「なんか、難しいね」


「まあ、慣れだよ」


「このゴーグルって高いの?」


「いや、4000円もしない安物だよ」


「ふーん」


 などと話していると、部屋の扉が開いた。

 妹だ。

「いま、悲鳴みたいなのが聞こえなかった? あっ、毛利さん、こんにちは」


「ああ…。毛利さんが、VRゲームをしてたんだよ」

 僕はゴーグルを持ち上げて言う。


「そう…。また、お兄ちゃんが、エロいことしたのかと思ったよ」


「するわけないだろ」


「説得力無いよ」


「そんなことより、お前、いつの間に帰って来たんだ?」


「たった今、帰って来たんだよ」

 そう言い捨てると妹は部屋を去って行った。


 僕は改めて、毛利さんに尋ねた。

「VRゲーム、どうだった? やってみる?」


「うーん…、ちょっと考えてみる」


「そう?」

 ちょっと興味を持ったみたい。想定外だな。

「もし、やるんだったら、一緒にパーティ組もうよ。悠斗とか、六角君とかも一緒にやってるから」


「うん」


 その後もしばらく世間話とか、来週からの試験のこととかを話して過ごし、1時間もしたら彼女は帰宅した。


 夜、晩ご飯を食べて、風呂入ったりした後、部屋でダラダラしていると真帆からLINEが来た。


『明日の放課後、ヒマでしょ?』


『ヒマ』


『じゃあ、いつものところに集合ね!!』


『りょ』


 明日は、いよいよバレンタインデーだが、真帆からは既にチョコもらっているからな。もう、チョコをもらうことはない。

 いつもの様に、O.M.G.の打ち合わせと称したデートみたいなものなのだろう。


 その後も、スマホいじったり、うだうだしていたらいつの間にか眠ってしまった。

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