雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

占いメイドカフェ2日目~その2

公開日時: 2022年6月22日(水) 20:05
文字数:1,073

 メイドによると、今日は昨日よりお客さんが多いそうで、外の廊下にも長い行列ができているらしい。確かにオムライスの出る量も多い。

 多めに仕込んどいて正解だったな。


 なんやかんやでお昼前となった。店内を見回すとお客さんは変わらず一杯だ。


「おお! 武田君!」


 声を掛けてきたのは、今度は織田さんだった。その後ろにはクラスの陽キャ友だちが2人いる。

 昨日の舞台“白雪姫”でのキスが脳裏をよぎる。


 僕は動揺を抑えながら、お約束の挨拶で返す。

「お、お帰りなさいませ、お嬢様」


「執事姿も様になってるね」

 織田さんは、お世辞を言う。


 僕はオムライスを作る手を止めずに話を続ける。

「ありがとう。そう言えば、今日は演劇部でも何か舞台をやるんじゃあ?」


「ええ、さっき終わったわ」


「何をやったの?」


「『オセロ』よ」


 オセロ? 何だ、それは? リバーシか?


「そうなんだ、お疲れ様」

 よくわからないが、労いの言葉を口にした。


「今度、動画、見せるわ」


「え、ああ、うん」

 興味ないんだけどな。


「じゃあ、邪魔になると悪いから、これぐらいで行くわ。頑張ってね」

 そういうと、織田さんと陽キャ友達はメイドに案内されて席に着いた。


 そのやり取りを見ていたメイドの一人が声を掛けてきた。

「何? 彼女?」


「いやいやいやいや。違いますよ。彼女は同じクラスで、昨日、クラスの出し物で白雪姫をやった人です」


「えー! ということは、武田君とキスした人?!」


「まあ、そう言うことになりますが、あれはあくまでも演技でー」


「ちょっと話をしに行こう」

 僕の話を途中までしか聞かずに、メイドは織田さんの方に行った。

 やれやれ。

 チラ見すると、メイドと織田さんは何やら楽し気に話をしているが、なんの話をしているのだろうか?


 午後1時頃、まだまだ、カフェはお客さんで一杯だ。

 松前先輩と津軽先輩が生徒会の仕事から戻ってきて、メイドとして参加してきた。伊達先輩はまだやることがあるそうで、生徒会室にいるという。生徒会長も何やら大変だな。


 しばらくして、聞きなれない声。

「お兄さん、来たよ」

 顔を上げると正面に女子の3人組。


「お帰りなさいませ、お嬢様」

 もう、反射的にこのセリフが出る様になった。

 そして、この3人組は…、誰だっけ?

 そうだ、先週、東池女子校に、カフェのフライヤー配りに行ったとき時に絡んできた3人組。


「お兄さん、オムライス、作ってるんだね」


「是非、食べて行ってください、お嬢様。当たる占いも後ろでやってますよ」

 まあ、占いでは、なにか売りつけられるかもしれんけど。


「「「りょうかーい」」」

 3人組は明るく返事をすると席に戻って行った。


 なにやら、千客万来だな。

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