雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

偽妹生活~その3

公開日時: 2024年9月7日(土) 21:12
文字数:1,470

 ジョギングから帰宅。

 朝から無駄な汗をかいてしまった。

 さらに、いつもよりかなり早く起こされたので眠いし。

 時間は、まだ朝8時。

 とりあえず、シャワーでも浴びて汗を流したい。

 と思ったら、妹たちが先にシャワーを浴びるからと、しばらく待たされてしまった。


 シャワーを浴びた後、朝食でも食べようかとダイニングに向かう。

 すると、妹と前田さんが何やら料理をしている。

 前田さんは僕を見つけると話しかけて来た。

「今、お兄さんの分も朝ごはんを作ってますからー」


「え? そうなの?」


「妹の仕事ですよー」


「いや、そんなのないけど…? 美咲もいつもはそんなことしないだろ?」


 妹の美咲が答える。

「良いじゃん、春休みだし」


 まあいいか、前田さんの好きにさせてあげよう。妹をやれと言ったのは1週間だけだしな。

 でも、朝ご飯を作るとか、妹というより妻だな。

 毎朝、朝ごはん作りに来るのだろうか?

 その前に、毎朝、ジョギングに付き合わされるのかな?


 しばらく待っていると、おにぎり、だし巻き卵、みそ汁が出て来た。

 いつもはパンとコーヒーなので、和風の朝食は新鮮だ。


 3人で朝食を取りつつ世間話をする。


「お兄ちゃん、来週はお城巡りだよね?」

 妹が尋ねた。


「そうだけど。良く知ってるな」


「紗夜さんに聞いたから」


「あ、そう」


「お城巡り、いいなー。どこ行くんですかー?」

 偽妹も尋ねる。


「今回は、4泊5日で岡山と香川と徳島って言ってたな」


「いいなー。行きたいなー」


「雑司が谷高校に入学して、歴史研に入部すれば日本全国いろいろ行けるけど」


「私は、部活は卓球一筋ですからー」


「旅費を出せば一緒に行けるかな?」

 妹が尋ねた。


「それだったら、一緒に行ってもいいんじゃない? これまでも、色んな人が一緒に行ったことがあるし」


「誰と一緒に行ったの?」


「ええーと…。新聞部、雪乃、O.M.G、徳川さん…とか」


「白雪姫も一緒に行ったの?!」


「そ、そうだよ」


「エロいことしたんでしょ?」


「歴史研の他のメンバーもいるから、エロいこと出来るわけないだろ」


「O.M.G.って誰ですかー?」

 偽妹が尋ねる。


「僕が活動を手伝ってるアイドルグループだよ。知らなかったっけ?」


「聞いたことないですー、徳川さんはー?」


「あの人もアイドル活動をしている人だよ」


「女子ばっかりじゃん?」

 妹が睨みつけて来た。


「いや、新聞部の部長は男だぞ」


「その人だけでしょ?」


 まあ、その通りだけどな。


「ふーん。パパにお願いして、旅費出してもらおうかなー」

 偽妹はつぶやいた。


「私も、お父さんに聞いてみよう」

 妹が言う。


 え? 付いて行く気なの?


「ちょっと待って、僕は行くと決めてないんだけど?」


「部員なのに何で行かないのよ?」


「もう今後は幽霊部員だから」


「ふーん」

 妹は納得いってない様子。


 そんなこんなで、朝食を取り終える。

 僕は自室に戻る。

 妹と偽妹も付いて来た。


「なんで、僕の部屋に居座るの?」


「妹の仕事は、お兄さんのお世話をしないといけないからですー」

 偽妹は答える。


「そんなの、美咲もしないし、一般的にもないでしょ?」


「いいじゃん。お兄ちゃんどうせ暇なんでしょ。相手してあげなよ」

 妹はそう言いつつ、本棚からマンガを取って読み始めた。

 偽妹もそれに続く。

 世話と言いながら、マンガ読むのかよ…。

 いいや、静かにしてくれるなら。

 僕も今日は何も予定がないしウダウダしよう。


 その後は、3人で押し入れにしまってあった古いゲーム機を久しぶりに出して遊んだり、VRゴーグルを貸してあげると妹と偽妹は勝手にアプリで遊んだりしていた。

 結局、妹と偽妹は夕方まで僕の部屋で1日さんざん遊んだ後、偽妹は帰宅した。

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