雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

高遠城(日本100名城 No.30)

公開日時: 2025年4月12日(土) 21:04
更新日時: 2025年4月12日(土) 21:10
文字数:1,724

 今日は、長野県伊那市にある高遠城を訪問する。

 歴史研の部員である僕と毛利さん、僕の密着取材をしている新聞部の支倉君の3人での旅である。

 早朝6時半に新宿バスタに集合する。

 集合時間には何とか3人とも時間に間に合った。

 私服もスカートの支倉君は、眠そうに目をこすっている。

 今日は歩きが少しあるから、ズボンにすればいいのにと思ったが、突っ込まなかった。


 高速バスの予約は事前にネットからしてあった。

 とはいえ、高速バスでの旅は初めてで少々不安であったが、乗務員に自分の名前を言うと座席を教えてくれて、すんなり乗ることができた。

 座席は4列シートで、僕、毛利さんと支倉君では予約のタイミングが違ったので、座席が離れてしまった。

 僕と毛利さんは隣り合わせで前の方の座席だが、支倉君は後ろの方で、別の乗客と隣り合っている。

 トイレ付きのバスだったので、そちらの心配はあまりしなくてもよさそうだ。


 そんなこんなで6時45分にバスは出発した。

 3時間と少しの移動。

 寝ているうちに9時55分、伊那バスターミナルに到着。

 ここで、路線バスに乗り換える。

 待ち時間が49分もあったのでコンビニによって朝食を調達し、伊那バスターミナルに戻ってそれを食べ、ターミナルにはタピオカ店があったので、タピったりして時間をつぶす。


「ワタシの隣に座っていたオジサンが、最初、ワタシが男だと思わなかったみたいで、メッチャ驚いてました!」

 支倉君がちょっと笑いながら言った。


「へー」

 それはそうだろう。

 支倉君は、見た目は完璧に女子だ。


「通常、男女は隣り合わないように配置するみたいね」

 毛利さんが言う。


「僕と毛利さんは隣同士だったけど?」

 僕は尋ねた。


「一緒に予約した知り合い同士ということであれば、男女隣でもいいみたい」


「だから、男同士で座るはずの席の隣にワタシがいたから、オジサンは驚いたみたいです!」

 支倉君はそういってまた笑った。


 目的のバスが来たので乗り込んで、高遠駅を目指す。

 23分の乗車で到着。

 高遠駅からはさらに徒歩での移動となる。


 下り坂の後は上り坂を進む。20分程度で高遠城址の看板が目に入った。

 あたりは高遠城址公園として入場無料となっている。



 高遠城。

 当初、高遠頼継の居城。

 1541年、高遠頼継が、反目していた諏訪頼重を武田信玄の諏訪攻略を援護することで諏訪頼重を滅ぼす。しかし、諏訪の領有を巡り武田と高遠は対立した。

 1547年、武田信玄は信濃に侵攻し高遠城を攻略し、信玄は山本勘助や秋山信友に命じて大規模な改修を行った。

 1582年、武田領に侵攻した織田軍の大群に対し籠城で抗戦するが、松尾城の小笠原信嶺の寝返りによって1日で落城した。

 その後、徳川譜代の保科氏・鳥居氏が城を守る。

 1691年、内藤清枚が入城。明治維新まで8代に渡り城主を務めた。


 現在は桜の名所として有名で、桜の咲く時期は綺麗でとても良いらしい。

 もう5月なので、残念だが桜は見れない。



 高遠城址公園内をウロウロと散策したあと、伊那市立高遠町歴史博物館を訪問。

 中を見学した後、再び徒歩で高遠駅まで。

 ここまで大体2時間半程度の滞在。


 高遠駅からは、伊那バスターミナルに戻るのだが、次のバスは16時発。

 だいぶ待ち時間があったので、近くのカフェに移動して世間話などをして過ごす。


「今後、部員が増えないとお城巡りに行けないかもしれないんだよ」

 僕が歴史研の現状について支倉君に説明をする。


「それは、どうしてですか?」


「僕と毛利さんの2人だけで泊りの旅行はダメだと島津先生が言うんだよ」


「まあ、当然ですね」


「そうなんだよね。それとは別に、部員を増やさないと上杉先輩にシバかれそうだし」


「じゃあ、Xで歴史研が部員を絶賛募集しているって投稿しておきますよ」


「よろしく頼むよ」

 それで、部員が増えるとは思わないけどな。


 そうこうしているうちに、16時となった。

 バスに乗り込み、伊那バスターミナルへ。

 ここでもまた待ち時間があり、待合室で時間をつぶして17時5分の高速バスに乗る。

 高速バスは一路、新宿バスタへ。

 新宿に着いたろには20時25分。

 すっかり遅くなってしまった。

 バスに乗っている時間が圧倒的に長かったな。いつもこんなもんか。

 僕が部長になっての初お城巡りは無事完了した。

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