雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

偽妹生活~その1

公開日時: 2024年8月14日(水) 20:01
文字数:1,699

 リビングルームのソファで睡眠中。


「「「「起きろー!」」」」


 大声、しかも複数の声で目が覚めた。


「うわっ!」

 僕が目を開けると、妹の美咲、前田、丹羽、溝口が僕を取り囲んで覗き込むように見下ろしていた。


「な、な、なんだよ! サラウンドで起こすんじゃない!」


「朝は、お兄さんを起こすのが妹の仕事って、美咲ちんに聞きましたー」

 前田さんは、僕の驚いた姿が面白かったのか、笑いがながら言った。


「妹の仕事?」

 そうか、昨夜、前田さんに今日から一週間、妹をやってくれってお願いしたんだっけ。


「そんな仕事はない」

 僕は、そう言いつつ身を起こした。


「お兄ちゃんは、いつも私に起こされてるじゃん?」

 妹が不満そうに言う。


「何言ってるんだ、目覚ましが鳴る前に、お前が勝手に部屋に入って来てるんだろ。勝手に入ってくるなよ」


「目覚ましが鳴っても起きないじゃん?」


「そんなことはない」


「それより、お兄さん、今日は学校に行くんでしょー?」

 前田さんが僕を立たせようと腕を引っ張る。


「お、おう、そうだな」


「撮影があるんでしたっけ?」

 丹羽さんが尋ねた。


「うん」


「AVでしたっけ?」

 溝口さんが尋ねた。


「高校生がAVに出れるわけないでしょ?」

 僕はあきれて答えた。


「お兄ちゃん! 高校卒業したらAVに出るつもりなの?!」

 妹が大声を上げた。


「今の会話、どう聞いたらそうなるんだよ?」


「お兄ちゃんなら、やりかねないから」


「お前は、どういう風に僕を見てるんだ」


「そういう風だよ」


「お兄さん」

 前田さんが割って入った。

「早く朝ごはん食べないと、撮影に間に合いませんよー」


「お、おう、そうだな」


 僕は時計を見る。

 まだ、だいぶ時間が早いじゃあないか…。

 しかし、目が覚めてしまったし。

 朝から女子4人との絡みは疲れるし、さっさと学校に行くとするか。

 僕は起き上がって、ダイニングテーブルまでやってきた。

 テーブルの上にはトースト2枚とマグカップにコーヒーが。


「私が準備しましたー、妹の役目ですからー」

 前田さんが嬉しそうに言う。


 美咲は朝食を作らないぞ。

 前田さんは妹というより、母親みたいになっている。

 しかし、好きにさせてあげよう。

「お、おう。ありがとう。お前らの分は?」


「私たちはもう食べましたー」


「あ、そう」


「後で私たちも、撮影、見に行くよ」

 妹が言う。


「昨夜もそんなこと言ってたな。でも、何しに来るんだよ?」


「エロい撮影じゃないか、確認するためだよ」


「そんな撮影じゃないって言ってるだろ」


「私、卓球部の見学もしたいですー」

 前田さんが言う。

「島津さんもいるかもしれないしー」


 前田さんは、卓球部兼歴史研の顧問である島津先生を尊敬してるんだっけ。


「まあ、見学ぐらいならいいんじゃない? 島津先生もいるかもしれないし」


「私も柔道部を見学したいです!」

 丹羽さんが言う。


「私は美術部を」

 溝口さんが言う。

 なるほど、溝口さんは美術に興味があるんだな。


「まあ、いいんじゃない?」

 勝手に行ってもいいかは、よく知らないが、まあ大丈夫だろう。

「お前ら、雑司ヶ谷高校に入学したいの?」


「はい! 私は島津さんがいるから、入学しますー!」

 前田さんは元気よく答えた。


「私も興味あります!」

 丹羽さんが答えた。


「私は、家から近いから」

 妹は、僕みたいなことを言う。


「美咲ちんと、のぞみんと、はるるんがいるなら私も行きたいです」

 溝口さんは答えた。


「あ、そう」

 彼女らが入学するとしても、まだ1年先の話だからな。

 質問しておきながら、あまり僕の興味をひかなかった。


「私たちは、後から行くから」

 妹がそう宣言すると、女子4人は一旦、妹の部屋に戻っていった。


 僕は席について、トーストを食べる。

 朝食を食べ終えると、自室に向かう。

 昨夜、女子たちに貸していた自室は綺麗に片づけたようで、女子たちのものは何も残っていなかった。

 前田さんが寝ていたであろうベッドも綺麗に整えられていた。

 僕は自室で制服に着替えて、まだ少し時間は早いが学校に向かう。


 学校に到着すると、今日の最初の撮影場所である、下駄箱付近までやってきた。

 時間が早かったので、撮影班の映画研究部のみが機材の準備などしていた。

 しばらく待っていると、雪乃はじめ演劇部のメンツも集まってきた。

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