雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

合コン再び

公開日時: 2023年2月26日(日) 02:31
文字数:2,467

 土曜日。

 今日は歴史研メンバーを中心とした合コンが開催される。

 僕が仕切らないといけないので面倒くさい。

 しかし、上杉先輩の奴隷として、任務を遂行しなければならないのだ。やれやれ。


 今回は、妹の美咲がまさかの参加なので、一緒に家を出た。地下鉄で移動。

 14時の少し前に池袋のいけふくろう前に集合する。

 とりあえず、集合時間までには全員集合した。


 メンバーは、

 男子:僕、悠斗、片倉先輩、六角君

 女子:伊達先輩、上杉先輩、毛利さん、妹

 合計8名。

 変な組み合わせだ。


 悠斗の紹介でやって来たサッカー部の六角君とは、僕は話をするのは初めてだった。

 クラスが違うので、これまでは廊下ですれ違った程度。

 彼は運動部だけあって、ちょっと背が高く、がっしりした感じ。


 挨拶もそこそこに、カラオケボックスに向かう。

 先週、東池女子校の細川さんたちと合コンした同じところだ。

 受付をして、少し待ったら、部屋に入る。


 男女交互になるように席を決めなければいけないが、割り箸でくじ引きを作ってきたので、それを引いて席を決める。

 このくじは、席決めだけでなく、実は王様ゲームをやる流れになったら使えると思って準備してあったのだ。


 そして、席決めのくじ結果。

 悠斗と伊達先輩。

 片倉先輩と毛利さん。

 六角君と上杉先輩。

 僕と妹。

 が、隣り合うようになった。


 僕と妹って…、自宅で14年一緒なのに、ここでも一緒とは…。

 しかし、くじ引きは公正だ。結果は遵守しなければならない。

 妹は、ぶつぶつ文句を言っている。

 とりあえず、みんなと話し合い、1時間後にもう一度くじ引きで席替えをやろうということになった。


 上杉の命令でドリンクバーから全員分のドリンクを取ってくる羽目になった。

 毛利さんが、運ぶのを手伝ってくれるという。

 毛利さん、良い人や。

 そんなわけで、みんなの注文を聞いて、2人でドリンクバーコーナーへ。


 僕がドリンクをサーバーから注いでいると、毛利さんが横から話しかけて来た。

「合コンが終わったら、みんなに内緒で2人でこの前のカフェに行かない?」


「え?」

 僕は、意外な提案に驚いた。

「いいけど、なんで内緒?」


「2人で一緒にいなくなったら、みんなにわかるから。それで…、ちょっと恥ずかしいから」

 毛利さんは少しうつむき加減に言う。


 今日は毛利さんにお持ち帰りされるってこと?

 お持ち帰りされること自体は、まあ、いいのだが、内緒ということは毛利さんが付き合っている伊達先輩にも言わないということだよな?

 ということは、浮気? 二股?

 一体どういうつもりなんだろうか?

 ひょっとして、もう別れたとか?


 僕は困惑しつつも、とりあえず了承することにする。

「うーん。まあ…、いいよ」


 ドリンクを持って戻ったら、自己紹介タイム。

  大体がお互い知り合いばかりだが、お初の六角君と妹も居るから改めてやることになった。

 とりあえず、幹事をやらされている僕からやることになった。

「えーと…。1年A組の武田です。趣味は、家でゴロゴロすることです」

 僕は、不本意ながら有名人だから、六角君は僕の事はどんな感じかは知っているようだった。


 次は、妹。立ち上がって挨拶する。

「こんにちは。武田美咲です! 中学2年です!」


「なんか、若いと思ったら、中学生か!」

 六角君が驚く。


「隣にいる、冴えない男の妹です」


「へー。全然似てないね」

 六角君が笑いながらいった。


 どうせ、似なくてよかったね、とか思ってるんだろう。

 そして、妹よ、“冴えない男”ってなんやねん。家に帰ったら、文句言ってやろう。


 悠斗の自己紹介。

「足利悠斗です。1年A組、サッカー部所属です。趣味もサッカー。あとはゲームもします」

 悠斗はサッカー部の将来のエースでイケメンで有名だから、伊達先輩、上杉先輩も少しは知っているようだった。


 伊達先輩の自己紹介。

 生徒会長だから、ここの全員が知っている。一応、自己紹介をする。

「伊達恵梨香です。2年B組です。趣味はスマホゲームをやることです」

 伊達先輩って、趣味は人を罠にはめる事じゃあないのか。僕は心の中で思った。


 片倉先輩の自己紹介。

「片倉誠。2年D組。新聞部所属。趣味はゴシップネタを探すこと。今日も先週に引き続き、合コンの実情を探ろうとやってきました」


 片倉先輩は新聞部で取材をしている関係上、他の生徒に良く知られているらしく、六角君とも面識があるという。


 毛利さんの自己紹介。

 恥ずかしそうに話し始めた。

「1年A組の毛利です…。趣味は読書です。最近は小説も書き始めました」


「小説を書いてるの?」

 片倉先輩が反応する。

「学校新聞に短編をお願いしようかな? 後で話そう」


「は、はい」

 毛利さんは答えた。


 六角君の番。

「六角一雄かずおです。1年E組、俺もサッカー部所属です。ポジションはミッドフィールダー。俺もゲームもします。たまに悠斗と一緒にゲームしてます」


 ミッドフィールダーって何だ? まあいいや。

 六角君は悠斗同様、爽やかで明るい感じ。

 やっぱり、あっち側(陽キャ)の人種のようだ。


 最後に上杉先輩。

「上杉紗夜です。2年B組です。趣味はマンガを読むこと。最近はちょっと将棋をやってましたが、そろそろ飽きた」

 テンションがいつもより低いな。どうしたんだ?

 そして、趣味は奴隷イジリじゃあないのか?


「ギャルに将棋って、珍しい組み合わせだね」

 片倉先輩が感想を言う。


 自己紹介が終わったら、カラオケタイム。

 先週の合コンに比べて盛り上がりがいまいちのようだ。

 まあ、どーでもいいことだ。


 1時間後、席替えタイム。

 もう一度くじ引きをする。


 結果。

 悠斗と毛利さん。

 片倉先輩と上杉先輩。

 六角君と伊達先輩。

 僕と妹。

 が、隣り合うようになった。


 くじの結果に妹は激おこのようだが、くじ引きは公正だ。結果は遵守しなければならない。


 そして、カラオケが続き1時間が経った。

 最後まで盛り上がりが今一つだったが、合コンはなんとか無事(?)終了した。

 代金の清算をして、解散した。


 途中まで、妹と一緒に帰るふりをする。そして、『買いたい物があったのを忘れていたから』という理由で妹を一人で帰宅させる。

 そして、僕は毛利さんと約束をしたサンシャインシティのカフェに向かう。

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