雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

なんでここに先輩が!?

公開日時: 2022年12月26日(月) 20:01
文字数:1,094

 毛利さんと別れて自宅に戻る。

 玄関で靴を脱いでいると、奥から何やら話し声が聞こえる。

 ん? この声は…。


 僕は奥へ進みダイニングを見た。

 そこには、妹と伊達先輩が居た。

 ダイニングテーブルを挟んで対面に座って話をしている。


「お兄ちゃん、お帰り~」

 妹は僕の姿を見ると声を掛けて来る。


「お帰りなさい」

 伊達先輩も挨拶をしてきた。


「あれ? なんで、伊達先輩がいるんですか?」


「美咲さんの勉強を見てほしいって言ったの、武田君でしょ? 今日からよ」


「そ、そうでした」

 妹の勉強を見ろと、僕が副会長に就任する時の交換条件にしたんだった。


「お兄ちゃん、自分でお願いして、忘れてやんのー」

 妹は笑う。

「今日は、伊達さん、晩ごはん食べて行ってもらうの」


 奥の台所で母親が晩ごはんの用意をしているようだ。

 父親は居間のソファで雑誌を読んでいる。


「そうですか」

 僕はそう言っていったん自分の部屋に行き、勉強道具を置いて再びダイニングに戻った。

 そして、妹の隣の椅子に座った。


「お兄ちゃん、今日はどこ行ってきたの? デート?」


「いや、図書館で勉強してきたんだよ」

 妹に“浮気だ”と言われそうでもあるし、伊達先輩の手前、毛利さんと会っていたと言うのは言わない方が良いだろう。

 いや、毛利さんは、付き合っている伊達先輩に今日のことを報告するのであろうか…?


「図書館に行くなんて珍しいね」

 妹が突っ込んできた。


「あ、ああ…。たまには気分転換で場所を変えようと思ってね」


「ふーん…。なんか、怪しいなあ」


 妹、鋭いな。

「怪しいってなんだよ。1人で勉強してただけだぞ」

 何とか誤魔化さないと。

「おまえのほうこそ、ちゃんと勉強できてるのか?」


「やってるよー!」


「美咲さんは、とても物覚えがいいわよ」

 伊達先輩が割り込んできた。

「雑司ヶ谷高校なら楽勝で受かりそうね。受かったら歴史研に入るんでしょ?」


「はい。雑司ヶ谷高校に行って、歴史研究部に入部します!」


 妹、青田買いされてるよ。


 妹は来年は受験の年だからな。

 まあ、雑司ヶ谷高校は進学校とは名ばかりで、平凡な学校だ。

 僕でも入れたんだから、妹も何とかなりそうだ。

 そして、妹が歴史研に入ったとしても、その時は僕は3年生で部活は引退しているから、接点はあまりないだろう。多分。


 夕食が出来て、母親によって食事がダイニングテーブルに並べられた。

 父親もやって来て、5人で話をしながら夕食を取る。

 話の中で、父親の提案があり、美咲の勉強をタダで見てもらうのは申し訳ない、ということで家庭教師代を払うことになった。

 伊達先輩からは当面は、格安で家庭教師をやると申し出て、交渉がまとまった。


 1時間と少しで食事を終えると、伊達先輩は帰宅していった。

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