雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

待ち合わせ

公開日時: 2022年2月16日(水) 19:22
文字数:1,038

 卓球部の合宿から帰宅すると、案の定、妹にお土産が無い事をなじられた。

 その後の2日は、気疲れが酷かったので自宅でゴロゴロして過ごした。

 やっぱり、自分の部屋が一番良いな。


 そして、あっという間に週末の土曜日、今度は歴史研のお城巡りの日だ。

 事前にラインで集合時間が伊達先輩から来ていた。朝の6時だ。

 歴史研の集合時間はいつも早いよな。在来線の移動だから、時間がかかるのでこうなるのだが、何とかならんものだろうか?

 今日はちゃんと日焼け止めを持ってきたぞ。

 

 僕は、いつもの待ち合わせ場所、いけふくろう前に到着した。

 少し早かったので、どうやら一番乗りのようだ。

 少し待つとやって来たのは上杉先輩だった。

 上杉先輩、意外に時間はしっかり守るんだよな。


「おはようございます」

 僕は挨拶をした。


「おはよう」

 上杉先輩は何やらニヤニヤして話しかけて来た。

「聞いたんだけど、卓球部の合宿でタマタマ出したんだって?」


「はあ? そんなことしませんよ」


「じゃあ、出したのサオのほう?」


「どちらも出してませんよ! 何言ってるんですか? ひょっとして“球出し練習”のこと言ってます?」


「そうそう、確かそう言うの」


「卓球部の合宿でも真面目にやってましたよ。それに、上杉先輩は話を下の方に持っていくの、もう止めませんか?」


「えー。私がエロいのはキミのエロマンガの影響のせいだよ」


「上杉先輩がエロいのは僕のせいだと?」


「そういうこと」


「濡れ衣ですよ。だったら、僕の部屋のマンガを持っていくのを止めてくださいよ」


「やだ」


 などとアホな会話をしていたら、伊達先輩と毛利さんもやって来た。

 今日はみんな動きやすいTシャツにチノパン。今日の訪問予定の金山城が山の上にあるらしいからな。


「「おはよう」」


 二人は挨拶をする。


「卓球部の合宿はどうだった?」

 伊達先輩が尋ねてきた。


「ええ、まあ、それなりに」


「そう。島津先生から『良い選手になりそうだ』ってメッセージが来てたわよ」


「卓球選手になる気はないです」

 何故、選手にしようとする?

 僕は、先日、気になったことを尋ねる。

「ところで、僕が卓球部の合宿に行くように仕組んだのは、伊達先輩ですか?」


「え? どうして?」


「いえ…、なんとなく」

 仕組んでいたとしても、流石に本当の事を言うわけないか。


「なんでも私のせいにしないで」


「すみません…」

 一応、謝った。しかし、完全に容疑が晴れたわけではないぞ。伊達先輩は油断ならないからな。


「じゃあ、そろそろ行きましょう」

 伊達先輩の号令で一行は、電車に乗るため改札口へ向かった。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート