雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

日本100名城をすべて巡る!
谷島修一
谷島修一

攻略!イカ男子

公開日時: 2022年10月5日(水) 20:01
文字数:1,224

 日曜日。

 今日の午後から、僕の部屋で勉強会をやることになっている。

 明日から中間試験なので、その対策である。

 歴史研のメンバー全員集合だ。

 前回、歴史研で勉強会をやったのはいつだったかな。夏休みか? とすると約2か月ぶりだな。

 そんなわけで、午後になって、歴史研のメンバーがゾロゾロと僕の部屋にやって来た。


 今回も、上杉先輩は勉強しない。

 早速、僕のベッドの上に寝転んで、僕のマンガやエロマンガを読み始めた。


「そう言えばさあ」

 僕らが教科書やノートを机の上に広げて、勉強会の準備をしているところに、唐突に上杉先輩が話しかけてきた。

「いつも思うんだけど、この部屋、あんまりイカ臭くないよね。エロ本活用してないの?」


 それもそのはず、来客がありそうな時は、部屋を掃除したついでに、消臭剤を嫌と言うほど撒いているからな。

 午前中も念のため撒いていたのだ。


「活用してません」

 と、嘘をつく。


「エロ本がもったいないね。全部もらっていい?」


「それはダメです」


 などとアホな会話をしていると、妹の美咲がジュースを持ってきて来てくれる。

 ローテーブルの上にジュースの入ったコップを並べて言った。

「伊達さん、私も勉強みてください!」


「いいわよ。でも、お兄さんは、やっぱりみてくれないの?」


「お兄ちゃんは相変わらずケチだからみてくれないんです…。あっ! でも最近はどこかで誰かとキスしてくると、ケチが治るみたいです」


 妹よ、余計な事を言わなくていい。


「あら、そうなの?」

 伊達先輩はジロリと僕を見た。


 僕は、全力で否定する。

「美咲、そんなわけないだろ?」


 妹が続ける。

「でも、この前、白雪姫とキスして来た時、犬のぬいぐるみくれたじゃん!」


「あれは、たまたまだろ」


「昨日も、お兄ちゃんがマンガをくれたんです。だから、誰かとキスしてきたんじゃあと疑っているんですが、伊達さん何か知りませんか?」


 伊達先輩は記憶を辿るように、少しうつむいてから、再び口を開いた。

「私たちと生徒会室を出た後、ずっと毛利さんと一緒に居たみたいだけど?」


「えっ?! じゃあ、毛利さん、お兄ちゃんとキスしたんですか?」

 妹が目を輝かせながら、毛利さんに尋ねた。


「してないよ…」

 キスしてないから、毛利さんは当然否定する。


「するわけないだろ!」

 早く妹を黙らせないと。僕は強めに否定する。


「するわけないって…? でも、この前、この部屋で毛利さんとキスしようとしてたって、お兄ちゃん言ってたじゃん!」


 おいおいおい、みんなの前で何を言い出すんだ、妹よ。


「へー、そうなんだ」

 上杉先輩がニヤつきながら、僕と毛利さんの顔を交互に見る。

 毛利さんは顔を紅潮させている。


「いいから、勉強しましょう! 勉強!」

 僕は、会話を強制終了させる。

 こんなことより、僕は中間試験を攻略しないといけないのだ。


「やっぱり、この部屋には、いやらしい匂いがする」

 と、上杉先輩がニヤつきながらボソりと言った。


 そんなこんなで、勉強会が開始された。

 その後は、幸いなことに比較的平和な時間が流れた。

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