ホワイトデーのクッキーを渡すと予定していた、小梁川さん、福島さん、赤松さん、山名さんに配り終え、今日のところは帰宅した。
思いのほか順調に行ったので、満足している。
それにしても、水泳部の山名さん、変な人だったな。
そして、みんなそれぞれの思惑があって、僕に義理チョコを送って来たということがわかった。
明日も残りのクッキーを配り終えたいと思っている。
僕は制服を脱ぎ、部屋着に着替えて、ベッドに横になって考える。
鍋島さんは2年D組。蜂須賀さんが美術部であるという情報は入手したから渡すのは難しくないだろう。
2年生のフロアに行くのはかなり緊張するが、今年一、頑張ろうと思う。
そして、蜂須賀さんは、放課後、美術部の部室に行けばいいしな。
唯一、困ったことには、一条さんが誰なのかわからないのだ。
もう諦めるか…。
放課後には、真帆と会うから、真帆とO.M.G.の分はクリアだな。
いや…、待てよ。
怪文書の“P”が犯行を行うかもしれないので、服飾部の部室に居てくれてと服部さんに頼まれていたな。
しまった、忘れていた。一応、真帆に連絡しておこう。
LINEを立ち上げてメッセージを送る。
『明日。学校で用事が出来たので、結構遅くなりそうで、時間変更か日程変更をお願いできないかな?』
しばらくして返事が来た。
『どれぐらい遅くなりそうなの?』
『下校時間までかかるかもだから、結構遅くなるんだ』
『それでもいいよ。買い物でもしてウロウロして待ってるよ』
『悪いね』
『大丈夫✨』
そして、あとは徳川さんだ。明日は会えそうにないが、もう後日でもいいだろう。
そう言うことにする。
一応、徳川さんの予定を聞いておくか。
先日、LINEのIDを交換していたので、再びアプリを立ち上げて尋ねる。
『ホワイトデーのクッキーを渡したいのですが、14日以降の予定はいかがですか?』
こちらもすぐに返事が来た。
『そんな気を遣わなくても良かったのに』
『もう買ってしまったので、是非、差し上げたいです』
『明後日なら夕方、時間あるよ』
明後日ということは、15日か。
『じゃあ明後日の夕方、この前行ったカフェでどうですか』
『いいよ』
これで、徳川さんも一日遅れだが、無事クリアできそうだな。
そして…、
明日は、“P”が何かをやらかすんだよな。
新聞部は何か下駄箱に予告文を入れるんではないかということで、張り込みをする予定だ。
僕は僕で、服飾部から何か盗まれるのではないかと予想して服飾部の部室に張り込むことになった。何も起きなければいいけど。
部室に“P”が盗みに現れて、そいつが、ごついやつだったり、格闘技とかで攻撃してきたら、絶対勝てないよな。
それにしても、気がかりなことが多くて大変だ。
今日は、いつになく学校内をウロウロしたので、少し疲れた。
夕飯まで昼寝でもすることにした。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!