ショートムービーの撮影を無事終えて、学校から帰宅した。
学校にいる間、妹の友達たちは昨夜のパジャマパーティーのお泊りセットを妹の部屋に置いていたので、一度一緒に帰宅してから、それぞれに自宅に帰った。
それにしても、今日は撮影だけでなく卓球のミックスダブルスをやらされたり、柔道の寝技をかけられたりして疲れたな。
寝技は昨夜もかけられたし散々だったよ。
そして、前田さんは、『約束通り1週間、“妹”をやりますー』と言い残して帰っていた。
僕は、具体的に何をやれとかは言ってないのだが、一体何をやるつもりなんだろうか?
明日も家にくるのかな?
まあ、半分冗談で言ったので、何もしなくてもいいのだけど。
僕は部屋着に着替えて、ベッドに寝転がる。
ショートムービーの撮影が完全に終わったので、明日からの残り春休み2週間はのんびりできそうだ。
4月に入ってから歴史研ではお城巡りをする予定のようだが、疲れるから僕は行くつもりはないのだ。寝て過ごしてやろう。
それ以外の予定と言えば、O.M.G .のライブの物販の手伝いを数回。
あとは…、宇喜多さんの家に行こうって話があったな。いつ行くんだろう?
LINEで聞いてみるか。
僕はスマホを手にして、真帆にメッセージを送る。
『春休みの予定はどうだっけ?』
しばらくして返事が来た。
『来週は、水曜と土曜にアキバでライブやるよー🎵』
春休みだから、平日もライブやるんだな。
『じゃあ、手伝いに行くよ』
『助かるー😍 たよりになるよ!』
まあ、僕はバイト代目当てだけど。
『あと、宇喜多さんの家に行くのはいつ?』
『金曜日だよ、純也も行けそう?』
『行くよ』
基本、暇人の僕は予定がほとんどない。
そして、宇喜多姉にも会いたいし。
『じゃあ、その件は水曜日に会った時に詳細を話そうよ』
『いいよ』
『じゃあ水曜日よろしくねー』
というメッセージとともに土下座のスタンプが送られてきた。
その後は、夕食、入浴を済ませると、VRゲームをやることにした。
ゴーグルをかぶってログイン。
場所は街の広場。
いつものように目の前には、たくさんのプレイヤーがいるのが見えた。
プレイヤーの頭の上の吹き出しには、いろんな言語が飛び交っている。
最近はAIが自動翻訳してくれる機能が付いたらしいから、外国のプレイヤーとも簡単に交流が出来るという。
しかし、コミュ障の僕は日本人とも交流が難しいから外国のプレイヤーとかありえないな。
という訳で、また、1人でチマチマと経験値でも稼ぐとするか…。
と思っていたところ、誰かがチャットで話しかけて来た。
『こんばんは』
ダークエルフのヒーラーのユミコさんだ。
以前、ユミコさんとは友達登録したのでログインしたら、わかるようになっているのだ。
今夜は、彼女もログインしているようだ。
いや、中の人は“彼女”じゃあないかもしれないが…。
とりあえず、僕も挨拶を返す。
『こんばんは』
『今、どこに居ますか?』
『インしたばかりだから、最初の街の広場です』
『私は、街の近くの草原に居ます』
『じゃあ、とりあえず、そっちに向かいます』
僕はユミコさんと合流して、一緒にチマチマと経験値稼ぎをしばらくやっている。
1時間ほど経っただろうか、悠斗と六角君もログインしてきた。
そして、合流。
僕はユミコさんを紹介して、4人でパーティーを組んで簡単なクエストをやったりして過ごす。
悠斗と六角君は、陽キャだからユミコさんともすぐに打ち解けたようだった。
ともかく、ヒーラーがいるとゴールドで回復ポーションを買わなくていいから、ゴールドが浮く。ありがたや。
さらに1時間ほどしたらユミコさんは、もう寝るというのでログアウトした。
僕と悠斗と六角君は、プレイを続行する。
なんやかんやで、結構長いことプレイしてしたら、日付が変わっていた。
悠斗たちと話し合い、そろそろ終了しようと言うことになり、ログアウトした。
久しぶりに、よふかしをしたな。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!