放課後、一件のLINEが来ていた。
『今日、今から会えませんか?』
やれやれ、女子からのLINEとか何年ぶりなんだよおおおおお……。
たとえ、変態でも女子だもんな。
「じゃあ、俺は部活行くわ……」とスクールバッグを手に持つ拓哉。
「漫研か」
「おう」
拓哉は『漫画研究部』通称、『漫研』に所属している。
名前の通り、漫画を読んで研究する部活だが、最近は漫画を描いているらしい。
拓哉は絵が下手なため、物語を作っているらしい。
「頑張れよ」
「おうよ!! コミケで出す同人誌の作成してくるわ!!」
そんな誰でもコミケに出せるのか!?
そんな疑問があるがまぁ、頑張って欲しいな。
拓哉が教室を出て行くと、俺はスマホに目を向けた。
『どこですか?』
やれやれ、この能力の規則性を見つけるためだ。
しばらくは、石川さんと関わる必要があるな。
『保健室❤️』
あー、やばい気がしてきたぁ〜。
って、待てよ……保健室!?
せめて屋上とかを期待していたのだが……。
「はぁ………」
俺は大きくため息を吐いた。
ぜってぇに規則性を見つけるためでもなんでなければ、いかなかっただろう……。
石川さん、もう少しまともなところにしてくれ。
『何一人でため息ついてんの? きもいんですけど……ああ、私のばか!!』
神崎も神崎で何を考えてんだよ。
そんなに俺のことが嫌いなのか!?
とりあえず、保健室か……。
あまり、行く気にはならんが行くとしよう。
『了解』
○
そして、保健室に着くと俺はコンコンとノックをした。
先生がいないのか、反応がない。
っつーかそもそも、保健室ってノックするものなのか?
あれ、ちょっと緊張してきたぞ?
まあいい。
開けてみよう!!
意を決して俺はドアをガラガラと開けた。
そこにはワイシャツを脱いで、キャミソールが丸見えの石川さんが……。
俺は慌ててドア側を向いて必死に。
「う、上きてください!!」
くそ、先生がいねーじゃねーか!!
なんでこういう時に限っていないんだよ!!
『よし、作戦成功///』
おい、なんの作戦だこら?
「安心してください……これはキャミソールですので、もう一つ下に……あ、見たいですか?」
「見たかねーよ、いや、見たいかもしれねぇけど……ああ、見たくねーよ!!」
「ど、どっちですの!?」
まあ、見たいけどよ……このタイミングじゃねーよな!!
女子高生のブラジャー姿見たいけどよ!!
『ち、これだから童貞は……たかが、キャミソールであんなに興奮するなんて……でも、そのチェリーみたいなのが好き///』
おい、今俺をバカにしたよな?
おい、したよな!?
いいよ、わかったよ!!
堂々と見てやるよ!!
俺は石川さんの方を振り向いてキャミソール姿の石川さんをガン見する。
じっ────。
いや、無理だわキャミソール見るのは……。
なので俺は石川さんの首を見た。
ここなら、キャミソール見てると思われるよな!!
と、とにかく対抗だ。
『わ、私の胸を見てますの!? 小倉くんは私の胸を枕にして寝たいとか思っているの!? なんというご褒美///』
いや〜若いっていいな!!
想像豊かでよ。
やっぱり、人の心の声が聞こえるってろくなことがないなぁ。
「それで、なんでお前は保健室にいるんだ?」
「眠いから……」
「は?」
「眠いから……」
そういう理由でいんのかよ……てか、保健室の先生も先生で甘ーなおい!!
普通そんな理由で寝かせるか?
「先生は?」
一番気になっていたことだ。
すると、石川さんはニコッと笑い、胸元に両手を置いて。
「『あたしが保健室を見張ります』って言ったら……『お、そうか……なら、私は屋上で寝てくる!!』って……」
おいおい、なんだよ、ここの保健室の先生。
せめて、ここで寝ろよ。
石川さんはベッドを立ち上がるとドアのところまで歩き、ガチャリ。
え………。
こちらを見てニコッとする石川さん。
「ここのドアはどちらも鍵式なんですよ?」
「え……」
愕然とする俺。
つまりだ。
「あたしの鍵がなければここから出られません」
俺は閉じ込められたらしい。
『これで、今ならなんでもできる!! あ、ご、ゴムは……ないし、小倉くんも無さそうだし……仕方ないなぁ、ゴム手袋の親指のところ切って使ってもらお……』
ははは……わ、笑えねーよ。
「あの……石川さん?」
「小倉くん。あたしとベッドに寝ませんか?」
やだやだ、こんな人が初めてなんて!!
ぜってぇーにやだ!!
俺はもっと普通に初めてを捨ててーよ!!
「さぁ、あたしと添い寝しましょ!!」
そう言うと石川さんは俺をベッドに押し倒した。
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