美少女で残念なヒロインたちの心の声が聞こえるようになった件

個性あふれるヒロインたちとのちょっとずれたラブコメ
さい
さい

第4話 変態さんの攻略を!1

公開日時: 2021年8月15日(日) 21:59
文字数:1,811

 放課後、一件のLINEが来ていた。


『今日、今から会えませんか?』


 やれやれ、女子からのLINEとか何年ぶりなんだよおおおおお……。

 たとえ、変態でも女子だもんな。


「じゃあ、俺は部活行くわ……」とスクールバッグを手に持つ拓哉。

「漫研か」

「おう」


 拓哉は『漫画研究部』通称、『漫研』に所属している。

 名前の通り、漫画を読んで研究する部活だが、最近は漫画を描いているらしい。

 拓哉は絵が下手なため、物語を作っているらしい。


「頑張れよ」

「おうよ!! コミケで出す同人誌の作成してくるわ!!」


 そんな誰でもコミケに出せるのか!?

 そんな疑問があるがまぁ、頑張って欲しいな。


 拓哉が教室を出て行くと、俺はスマホに目を向けた。


『どこですか?』


 やれやれ、この能力の規則性を見つけるためだ。

 しばらくは、石川さんと関わる必要があるな。


『保健室❤️』


 あー、やばい気がしてきたぁ〜。

 って、待てよ……保健室!?

 せめて屋上とかを期待していたのだが……。

 

「はぁ………」


 俺は大きくため息を吐いた。


 ぜってぇに規則性を見つけるためでもなんでなければ、いかなかっただろう……。

 石川さん、もう少しまともなところにしてくれ。


『何一人でため息ついてんの? きもいんですけど……ああ、私のばか!!』


 神崎も神崎で何を考えてんだよ。

 そんなに俺のことが嫌いなのか!?


 とりあえず、保健室か……。


 あまり、行く気にはならんが行くとしよう。


『了解』



 そして、保健室に着くと俺はコンコンとノックをした。


 先生がいないのか、反応がない。


 っつーかそもそも、保健室ってノックするものなのか?


 あれ、ちょっと緊張してきたぞ?

 まあいい。 

 開けてみよう!!


 意を決して俺はドアをガラガラと開けた。


 そこにはワイシャツを脱いで、キャミソールが丸見えの石川さんが……。


 俺は慌ててドア側を向いて必死に。


「う、上きてください!!」


 くそ、先生がいねーじゃねーか!!

 なんでこういう時に限っていないんだよ!!


『よし、作戦成功///』


 おい、なんの作戦だこら?


「安心してください……これはキャミソールですので、もう一つ下に……あ、見たいですか?」

「見たかねーよ、いや、見たいかもしれねぇけど……ああ、見たくねーよ!!」

「ど、どっちですの!?」


 まあ、見たいけどよ……このタイミングじゃねーよな!!

 女子高生のブラジャー姿見たいけどよ!!


『ち、これだから童貞は……たかが、キャミソールであんなに興奮するなんて……でも、そのチェリーみたいなのが好き///』


 おい、今俺をバカにしたよな?

 おい、したよな!?

 いいよ、わかったよ!!

 堂々と見てやるよ!!


 俺は石川さんの方を振り向いてキャミソール姿の石川さんをガン見する。


 じっ────。


 いや、無理だわキャミソール見るのは……。


 なので俺は石川さんの首を見た。


 ここなら、キャミソール見てると思われるよな!!

 と、とにかく対抗だ。


『わ、私の胸を見てますの!? 小倉くんは私の胸を枕にして寝たいとか思っているの!? なんというご褒美///』


 いや〜若いっていいな!!

 想像豊かでよ。

 やっぱり、人の心の声が聞こえるってろくなことがないなぁ。


「それで、なんでお前は保健室にいるんだ?」

「眠いから……」

「は?」

「眠いから……」


 そういう理由でいんのかよ……てか、保健室の先生も先生で甘ーなおい!!

 普通そんな理由で寝かせるか?


「先生は?」

 

 一番気になっていたことだ。


 すると、石川さんはニコッと笑い、胸元に両手を置いて。


「『あたしが保健室を見張ります』って言ったら……『お、そうか……なら、私は屋上で寝てくる!!』って……」


 おいおい、なんだよ、ここの保健室の先生。

 せめて、ここで寝ろよ。


 石川さんはベッドを立ち上がるとドアのところまで歩き、ガチャリ。


 え………。


 こちらを見てニコッとする石川さん。


「ここのドアはどちらも鍵式なんですよ?」

「え……」


 愕然とする俺。


 つまりだ。


「あたしの鍵がなければここから出られません」


 俺は閉じ込められたらしい。


『これで、今ならなんでもできる!! あ、ご、ゴムは……ないし、小倉くんも無さそうだし……仕方ないなぁ、ゴム手袋の親指のところ切って使ってもらお……』


 ははは……わ、笑えねーよ。


「あの……石川さん?」

「小倉くん。あたしとベッドに寝ませんか?」


 やだやだ、こんな人が初めてなんて!!

 ぜってぇーにやだ!!

 俺はもっと普通に初めてを捨ててーよ!!


「さぁ、あたしと添い寝しましょ!!」


 そう言うと石川さんは俺をベッドに押し倒した。


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