不条理系ホラー・コメディ集

HasumiChouji H
HasumiChouji

なんで、1人で複数アカウント使って俺に粘着してんだよwwwwww

公開日時: 2021年7月7日(水) 00:25
文字数:1,117

ところで「1人」の定義って何だっけ??

思い付いた切っ掛けは、ある掲示板サイトの俺のアカウントを、別人(と言っても偶然にも知り合いだけど)の別アカだと思い込んでる変な人が居た事です。

「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「pixiv」「Novel Days」「ノベリズム」「GALLERIA」「ノベルアップ+」に同じモノを投稿しています。

『またかよ。1人でいくつアカウントを作ってんだよ。俺がブロックする度に新しくアカウント作ってんのか?』

 俺がやったSNSの書き込みに、またしても、変なコメントが付いた。

 それも、書き込んでから、たった5分で何十個も。

『へ? 何の事だ?』

『この馬鹿、俺とシモンさんを同一人物の複アカだと思ってんじゃないの?』

『何で、そんな事を思うのかね?』

『自分がやってる事は、他人もやってると思い込むもんだよ』

 おい、何、下手な芝居やってんだよ。

『はいはい、そこまでムキになるのが複アカで自作自演やってる証拠ですよ』

『いや、あんたの意見がおかしいと思うヤツが何人も居るだけだ、って考えの方が単純だろ』

『ちょうどいいや。これから、こいつの家に言って、俺達が別人だって証明してやろうじゃないか?』

『あ、それいいね』

 えっ?

 待て、何で、俺の家を……。いや……いくらなんでも本当に知ってる訳は無い。単にイキってるだけだろう。

『いい加減にしろ。脅迫で通報するぞ』

『どこに?』

『とりあえず、この書き込み、全部、SNSの運営に通報して、あと、警察にも連絡……』

 だが……その時……。

 何だ?

 机の上のカップの中のコーヒーの表面に波紋が浮かぶ。

 マズい……地震か? 最近、多いな……。

『警察に通報か……。ためしに110に電話してみろ』

『警察は、お前なんかにかまってやってる暇はないからな』

『お前の家の最寄りの警察署が、まだ、存在してればの話だけどな』

 何を言ってんだ?

 地震は……少しづつ大きくなっていき……。

 外からはサイレンの音……。だが……すぐに聞こえなくなる。

 だが、別の音が響く。

 ズン……。

 ズン……ズン……。

 ズン……ズン……ズン……ズン……。

 おい……何の音だ? 地震の時って……こんな音がするモノだったっけ?

 な……何が……起きてんだよ?

『おい、みんなで、お前の家のすぐそばまで来てやったぞ』

『カーテンを開けて、窓の外を見てみろ』

『みんな揃ってるぞ。見ればすぐに判る』

 どう云う事だ?

 だが……その時……ある事に気付いた。

 いつの間にか……地震がおさまっていた……。

 どうなってる?

 でも……ヤツが……本当に俺の家を知ってる訳が無い。

 だって、ここは賃貸マンションの5階で、しかも、窓のすぐ外にはベランダが有る。窓から外を見ても、下に誰かが居るか見える訳が……。

 だが、念の為、カーテンを開け……。

『な……言った通りだろ』

『見ての通り、たまたま、お前が言ってる事をおかしいと思ってる奴が何人も居るだけだよ』

 そこには……数十か……数百か……ともかくとんでもない数の人体が集って出来た巨大な顔が有った。

 そして……その巨人を構成している人体は……俺から少なくとも見える限りでは、ほぼ全部、スマホを操作していた。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート