なにもない、真っ白な世界。
本当は、白という色さえもない無の世界。
空も、海も、街もない世界で、僕は無を眺めていた。
僕は虚無に溶けていて、境目などないけれど。
ただただ、そこに存在していた事は覚えている。
あるとき世界に、小さな小さな細波が。
それとも恐ろしいほどの激震か……。
全ての存在を否定する世界に広がった。
それは、小さな小さな変化で、何よりも大きな変化。
振動は、僕と世界を断ち切った。
世界と別れ、一人になった僕は退屈だった。
ぼんやりと、なにもない空間を眺める。
空間……、それすらもなかったのかもしれない。
また“何か”起きないかと待ちわびる。ずっと、ずっと……。
永遠と呼べる間。もしくは刹那や瞬間と呼ばれるほどの短い時。
僕は、待つのをあきらめた。
そうだ、あの振動が来ないなら、僕が起こせばいいんだ。
すっと、一点に集中する。
何か起こせるかはわからないけれど、何かやってみたいと思ったんだ。
それは、虚無に満ちた世界を爆発させ、多くの星々を生み出した。
はじめて見る物体に、僕の世界は変わりゆく。
積み木を与えられた子供のように、星々を組み合わせ、砕く。
そんな事に飽きた頃、彼らの存在に気付いたんだ。
宇宙の片隅に、小さな小さな存在だけど、意思を持つ彼らに。
いや、はじめから気付いていたもかも知れない。
もしくは、僕が創ったのかもしれない。
そんな彼らを見ていると、時に協力しあい、時に殺しあう。
そして、時に愛し合っていた。
たった一人の僕よりも、ちっぽけだけど楽しそうな彼ら。
そんな彼らに、少し触れてみたいと思ったんだ。
だから僕は、隠れて彼らの中に降り立った。
とても悲しいこともあったけど、同じだけの幸せももらったよ。
今度は本当に、彼らと……。ううん、ちがう。
彼と同じ姿で会いたいな。
彼らの普通で会いたいな。
ところで、さっきから僕を覗いてる君。
そう、君だよ。ちょっと手伝ってもらえないかな?
おっと、挨拶がまだだったね。
やぁ、こんにちは。それとも“君たちの世界”ではこんばんは、かな?
そして「番外編 神々の残業 物語を辿る君へ」に続くのである。
『時系列がねじれてやがるっ……!』
なろう読める延長戦が、もうはちゃめちゃだし今さらだよね?
『メタい。上司さん超メタい』
いーのいーの。そういうのが許される立場だから~。
『自由奔放な神は手に負えないんだぜ』
番外編は自由を通り越してカオスだからいいのいいの。
『うん、もう“神々の”って付くのは、どうしようもないんですね。わかります』
物分りが良くて助かるね! さっ! 〆るよ!
後書きはガチャ神の上司と
『外注の中の人、島一守がお送りしました』
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