前回のあらすじ
「今年最後の爆死も、見事だったのじゃ」
ガチャ神の今日の一言
「ここだけの話じゃが、今回は本編がおまけなのじゃ」
「ごめんなさいごめんなさい……僕なんかが契約してしまってごめんなさい……」
「…………」
「あのっ……、まくま君……」
爺さんの特製契約石は、キャラ配布イベントなんかじゃなかった。
この爆死の結果は、それを痛いほどに物語っていた。
新規契約キャラは、魔方陣より出てきた少年一人。あとは既に契約したキャラばかりだった。
それにしてもこの少年、出てきていきなり謝り倒している。自己紹介もナシかよ。
まぁ、俺も完全無気力ぐでぐでまくら状態なので、人の事は言えないか……。
「あぁ……、俺はまくら。これからよろしくな……」
「ごめんなさい、僕はイナバです。嫌だったら、すぐにでも出ていきますので」
「いや、うん。いいから。ちょっと落ち着いて。あと落ち込ませて……」
「まさか俺の魔力を込めた契約石で、俺を引かないとは……。
しかも、何のためらいも無く10連契約。さすが鬼若の契約主だ」
なんだその意味の分からない感心の仕方は……。10連ガチャで爆死しただけじゃねーか。
というか、確定イベントじゃなく、確率アップイベントだったのだろうか。
外れる確率が1%でもあれば、それを引き当てる俺にそんなん無理ゲーだわ。
「えっと、とりあえず私も、契約式やったほうがいいよね?
貰ったのは10回分だけど、1回ずつやってみるね」
カオリ……、俺の敵を討ってくれ……。と言い残し俺は部屋を出て行った。
(せいやじゃっ! ぺったん!)
……のなら、どれだけ良かっただろうか。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「おう! カオリ、これからよろしく頼むぜ!
っと、悪い。これからは契約主様なんだからな、カオリ様って呼ばねえとな!
しかし、1回目で引き当てるとはさすがだな!」
「はい。よろしくお願いしますね。呼び方は、今までどおりで大丈夫ですよ」
これが……、運の差……。世界の理不尽さを目前で見せ付けられ、俺はガチャ神を恨んだ。
(はいさっ! こねこね)
……なんだ? さっきから聞こえるこれは。
まぁいいか、もうガチャなんて信用しない。
俺はまくらになりたい……。いやもうなってるけど。
ガチャは悪い文明……、よく言ったものだ。
「主様っ!? 一体何があったのです!? 敵襲ですかっ!?」
「……あぁ、鬼若か。俺はもう疲れたよ……」
「主様! しっかりしてください!!」
ガクガクと揺さぶられる俺は、今まで以上に“まくららしいまくら”だっただろう。
(そいやじゃっ! ぺったん!)
(よいさっ! こねこね)
「なぁ、鬼若。パーティーで餅でもついてるのか?」
「え? そんな催しは見かけませんでしたが」
「じゃぁ、何だこの音は……。幻聴かな……」
「つきたての餅はおいしいのじゃ」
きな粉も良いけど、あんこもいいね~。
「砂糖醤油も外せないのじゃ」
固くなった餅を、小さく切って揚げたのも好き。
「熱々でやけどするヤツじゃな」
『てゆーか、本編に聞こえる音で餅ついてるんじゃねーよ』
あっ、中の人からのお怒りメールだ!
「ツッコミ不在の恐怖を思い知ったのじゃ」
『常々深刻なツッコミ不足やろがいっ!』
ってことで、次回からしばらくガチャ神ちゃんはお休みなので
後書きの相方は中の人とやりましょうかね?
「やっと、やっとワシも本編に……」
辛く長い研修の末掴んだ本編出演、頑張ってね~!
『本編で暴れたら、俺も収拾付けられないからな?』
「元より収拾ついてないのじゃ」
『餅はつくけど収拾はつかないってか?』
「『はっはっは!!』」
仲良しだなぁ……。
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