前回のあらすじ
「運営からのお知らせはメールボックスから見ることができるのじゃ」
ガチャ神のワンポイント攻略情報④
「ガチャで既に持っているキャラが出るとASLvが上がるのじゃ」
「ASLvが高いとアクティブスキルが強くなるのじゃ」
☆学園運営局からのお知らせ☆
メンテナンスにて以下の変更を行いました
・重複契約によるASLvの上昇値が変更されました。
・上記変更に伴い、今までの上昇分を、アイテム「ASチケット」にて配布いたします。
・契約式の強化アイテム排出率が低下しました。
・鬼若のASの不具合を修正しました。
・上記修正に伴い、メンテナンス以前に取得されていた契約主様に補償物資の配布をいたします。
補償物資の内容、時期に関しましては決定次第連絡いたします。
スマートフォンに映し出される画面の内容や操作方法は、基本的にゲームと同じものだった。
けれど今の体はまくらなわけで、操作するにはスマホにのしかかり、まくらのミミとでもいうのか、もしくは角というべきか。それを四苦八苦しながら動かして操作することになる。
まぁ、考えようによっては、まくらなのに無理やりであっても自分で動けるというのはマシだったかもしれない。ずっと誰かに付いてもらわないといけない要介護者状態でなくて済むのだからね。
ちなみに、支給されている端末は持ち主本人でなければ操作できないらしい。動けない状態だったら本当に詰み状態だったな。
誤操作のせいでかなり時間がかかってしまったが、学園運営局からのお知らせは、なんとか見ることができた。
それにしても、今回のメンテナンスは変更点が多いな。それに重要な変更も多い。
ダブりの計算方法の変更や、ガチャ自体の確率変更があるとは、これは大型アプデと言えそうだ。
とりあえず、これが神アプデなのかどうかは後で検証するとして、今回のバトルのどんでん返しは鬼若のバグ修正と、ASLv修正が今回影響してるみたいだな。
「主様、何かわかりましたか?」
「あぁ、今お前のステータス見てるところ。
どうやらASLvの計算法が変わったみたいで、ASLv100になってるな。
あとはASの威力が、相手の数によって変動するようになったみたい」
鬼若は何の事だかわからず「?」を頭上に浮かべている。
俺もバトルを直接見ていないのでピンと来ていないが、本人がこんな調子なのはどういう事だろうか。
「ふむ。ASLv上昇による攻撃力の上昇と、さらに相手の数による攻撃力補正によって、一対一では今までよりも攻撃力が上がっていた、というところか。
それでも耐久戦法を取る我が力負けするとは、なかなかのものだが……」
未だに「?」を浮かべる鬼若とは対照的に、ベルフェゴールはすんなり理解したようだ。
これは理解力というよりは、バトル結果から考えられる理由をいくつか考えていたんだろう。
「自身の弱体化」か「相手の強化」か。これは本人にとっては死活問題だ。
今回は鬼若のバグ修正だったけれど、もし自身の弱体化であれば今後の身の振り方も変わってくるのだ。
だからこそ、バトルが終ってもそれを探るために逃げ帰ったりせず、大人しくこの場に留まったのだと思う。
それに、自身の強さも戦法もちゃんと理解している。
もし勝つ見込みが無いと判断していたら、バトルなどせずに逃げられていたかもしれない。
そういう意味でもあのメンテは、鬼若にとって神がかり的なタイミングで行われたと言えるな。
「我の知りたい事は分かった。今後はお主らと敵対せんようにせねばな。
勝てぬ戦に挑むのは馬鹿のする事だ」
チラりと鬼若を見ながらのその発言は、かなりの含みのある言い方だったが、当の鬼若は気付いていない様子だ。
薄く透けた羽衣を翻し去ろうとする彼女に、俺は「待て」と引きとめた。
「なんだ? 負けた我に何か求めると言うのか?」
「なぁ、ベルフェゴール。俺と契約する気はないか?」
俺がそれを、ただ見送るはずがなかった。
この千載一遇のチャンス、俺は絶対にモノにしたかったのだ。
(ボリボリボリボリ……)
「例のチョコレート菓子を買い占めてきたのじゃが……」
(ボリボリボリボリ……)
「お菓子に夢中で仕事を放棄しておるのじゃ……」
(ボリボリボリボリ……)
「今回はこれで切り上げるとするかのう……」
ガチャ神ちゃん
飲み物買ってきて
(ボリボリボリボリ……)
「やはりただのパシリなのじゃ……」
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