ガチャ神の「空から異世界を見てみよう!」のコーナーじゃ!!
…………。
ツッコミがおらんと寂しいもんじゃのう……。
これなら、一月中ずっとこっちに居るなどと言わねばよかったのじゃ。
さて、この世界も一通りみて回ったが、あまり特筆するようなことはなかったのう。
これでは報告書が書けんではないか。
……! こういう時はまくらの様子を見に行くとするかの。
あやつなら、何かしでかしているはずじゃ!
と思って来てみれば、授業中ではないか。
まぁ良い、ちゃんと授業を受けておるか、抜き打ちちぇっくじゃ!
ええと、今は獅子獣人の教える社会科の授業じゃな。まずはノートをちぇっくじゃ!
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
[学園都市と外の世界]
・学園都市の成立は1945年。来訪者と人間との戦争の終結を目的に設立される。
(→戦争と住み分けに関しては3ページ前を参照)
・学園運営局によって、外の世界とは結界と防壁で区切られている。
・1964年来訪者の増加に対応するため学園都市の拡張が議論される。
→外の世界の反対派により断念。(→外の世界の制度は下記参照)
・1970年に亜空間管理システムが確立。これにより用地不足は解消。
(結界の外も亜空間内であれば行けるため、実質学園都市の方が大きくなる)
・1989年来訪者を管理する者として、契約主制度を開始する。
外の世界で素質のある者を招くようになる(→来訪者の増大に対する処置)
[外の世界]
・学園内とは違い、魔力が存在しない。
・学園運営局単体での統治である、学園都市とは異なる。
(司法、立法、行政の三権分立による統治).
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
……普通じゃ。しかもちゃんと、自身の気付いた事などをカッコ書きでメモまでしておる。
普通に優秀な高校生のノートじゃ! つまらん!!
まったく、期待して来たというのに、少しヌケてるくらいが可愛げがあるというもんじゃ。
しかしそれも、ワシが優秀なステータスにしてしまったせいか。
ふむ、次は少しアホの子にするのじゃ。
ワシはこんなつまらぬ所に居てられんのじゃ! 次じゃ次!
◆ ◇ ◆
と言ってものう、誰の所に行こうかのう。
おや、あそこに見えるはサンタの爺さんこと、三田 セイヤではないか。
何か面白い事してないかちぇっくじゃ~!
そういえば、名前が出るのは今回が初めてじゃった気がするが……。まぁよいか。
失礼するぞ! ガチャ神じゃ!
っと、どうやら学園運営局に用事があるようじゃな。
ふむふむ、何か職員の者達と話ておるようじゃ。気になるのう、気になるのう。
立ち聞きしてみるかの。もちろん「うっかり聞こえた」という建前でじゃ。
「なぁー、そう言わずによぉ、俺とお前らの仲じゃないか」
「ゆ~! ダメなものはダメなんだよっ! こっちはとっても忙しいのっ!」
「そこを何とかっ! なっ!」
「ダメダメダメダメなの~!!」
なにやら言い争ってるようじゃのう。
サンタの爺さんが頼みごとをしているようじゃ。
「クリスマスの時だって、無理きいてあげたでしょっ!
その上新機能のお願いだなんて、図々しいよっ!!」
「それは感謝してるって。
でもよー、この新機能があれば、無駄な諍いも減って、お前らも楽になるんじゃねぇのか?」
「う~……。こっちの都合もあって、今新機能なんて……」
「何か問題でもあったのかよ?」
「む~、ミタ爺だから言うけど最近バグが頻発してて、みんな不眠不休で対応してるの~。
全然ゆっくりできてないんだよぉ……」
「だからお前らやつれてたのかよ。で、その対応はいつ終わりそうなんだ?」
「直したところから壊れていくんだよっ! もうやだー! おうちかえるー!!」
「そりゃタイミング悪い時に来ちまったな……。悪かったよ」
……これは、もしかしなくてもワシのせいなのじゃろうか?
世界の構築は初めての事じゃったし、不具合が出ていても不思議ではないが……。
むぅ、学園運営局の奴らが、バグに対処するのは仕事じゃから放っておくとして、ミタ爺に非はないのう。少し奇跡とやらを起こしてやるかの。
「ゆっ……!?」
「ん? どうした? また不具合でも見つかったのか?」
「……。上部組織から、その“新機能”の実装命令が来たんだよぉ……」
「は? なんでだ? さすがに俺も、上部組織にコネはねえぞ?」
「わたしにだってわかんないよっ!! う~!! 今日も徹夜確定だよぉ……。うぇぇぇ……」
「ちょっ、泣くなって。そうだ! 何か甘いものでも買ってきてやるから! なっ!?」
「うぇぇぇ……、もうやだぁ……。おうちかえしてぇ……」
よしよし、これで一件落着じゃ!
むっ……!? なにやらまくらの奴に危機が迫っている予感じゃ!
やつめ、やっと事件を起こしたか! 今行くのじゃっ!!
◆ ◇ ◆
「おや熊殿、お一人ですかな?」
「ちょうど良いですな。我らと、少し話しをしようではありませんか」
「とってもいいお話があるんですよー? それはとっても!」
おっと、来てみれば男子生徒三人に囲まれておるではないか。
ふむふむ、奴らの考えを読んでみれば……。その展開はダメなのじゃ!
仕方ない、助けてやるとしようかの。えーっと、職員室はどっちじゃったかのう?
おっ、見覚えのある獅子獣人がおるではないか、ちょっと手伝ってもらおうかの。
『おぬし、教室に忘れ物しておらんかー?』
っと囁いてやれば、そんな気がしてくるというもんじゃ。天啓というやつじゃな。
狙い通りまくらの元へとたどり着いたようじゃな。これでまくらの貞操は守られたのじゃ。
そんなまくらは、遅れてやってきたカオリに連れられて帰りおった。
ワシの大活躍など、気付く事もないじゃろうな。神とは報われないもんじゃな……。
さて、かの三人は生徒指導室でお灸を据えられているようじゃが、その様子でも見てみるか。
今後も悪さをするようであれば、ワシ直々に神罰を下す事も辞さない構えじゃ。
なにせ、常に見張るわけにもいかんからのう。
「レオン先生には分からないでしょうが、我らにはアニマルセラピーが必要なのです!」
「このストレスの多い世の中を生きているというのに、獣人に対しての配慮から、ペットを飼う事もままならないのですよ!?」
「僕らは獣人側の立場だから、規制自体に文句はないんだけどねー」
「だからとイって、イやがる奴ニ、毛皮をキせるリゆうニはならんだろ?」
それっぽい反論なんてしおって、反省の色が無いようじゃの。
ワシからのお灸を用意する必要があるようじゃ。
と思い用意しておれば、獅子獣人は突然上着を脱ぎだし、上半身裸の状態となったのじゃ。
こやつ、変態であったのかのう!?
「そんなニ、毛皮をモフモフしたイとイうのなら、俺が代わりニさせてやろう」
……いや、少し頭の悪いだけの奴かもしれん。
見方によっては、生徒の代わりに自身が身代わりになるという、涙無しには語れぬ自己犠牲の精神かもしれんが……。
しかも、三人はと言えば何の遠慮もなく、その胸へと飛び込んでるではないか。
互いが了承の上なのだから、ワシが関わる事でもないか……?
いやしかし、獅子獣人をけしかけたのはワシじゃ。
何より、これ以上は報告書に書けない内容になりそうじゃ。
よって神罰を下す!! いでよ! ヒノキの棒!
ゴス! ゴス! ゴスッ! と心地よい音と共に三人は気を失った! フルコンボだドン!
「ん? なんだ、寝てシまったのか。
高校せイとイっても、まだまだ子供なのだな」
…………。
神は報われないものじゃから感謝などいらぬが、この獅子獣人はもう少し危機感を持ったほうが良いのじゃ……。
なんだか疲れてしもうたわ、帰るとしようかのう……。
ガチャ神ちゃんをツッコミに回すボケ力、レオンはなかなかやり手だな。
『タイトルも報告書内容も酷いなぁ……。てか、このタイトルアウトでは??』
小説のバックアップ機能があるじゃろ?
『BAN前提の話はやめよ?』
それなら“異世界ふしg『ホントやめよ??』
危ない橋を全力で叩き付けるのは、今さらじゃないか。
『確かにそうやけど! てか内容! これでええんか!?』
今回は、ガチャ神ちゃんの日記みたいなもんだしね~。
『日記を報告書として提出すんのかよ』
ちゃんとこの世界を見守っているなら、それでいいかなと。
『ユルい神たちやなぁ……』
仕事は、マジメにやればいいってわけじゃないんだよ?
『まくらのノートの方が真面目な件』
まくら氏、運さえあれば完璧超人だった説。
『てか、あの年表は何?』
運営会社からパクってきた、裏設定と色々混ぜた結果だよ?
ちなみに、何年に起きたかってのは世界構築時に決めたんだけど
終戦、東京五輪、大阪万博、改元が元ネタだよ。
『まさか、本文で近代史を勉強できるとは……』
あと運営会社の裏設定集には
「学園都市で教育を受けた来訪者を人間社会で受け入れる、という名目で建設された学園都市であったが、実際には隔離施設として運用されたため、軋轢が生じている」
なんてのもあったけどね~。
『それって、ゲームの最終回に使うための設定のような……』
でもスマホゲーってさ、最後は突然のサービス終了だから、エンディングなんてないよね。
『現実は非情である』
さて! 1月章は今回でホントのホントに終わり!
『あ、今回で俺は退場しま~す』
ファンの皆様お待たせしました!
ついにガチャ神ちゃんの復帰ですよ!
『ファンって居るんか?』
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