父の死去により家の実権を握ろうと、虎視眈々と異母弟の後見人の座を狙う遠縁の者達を排除し、未だ既定の相続年齢に達していない異母弟の伯爵家相続を何とか王家に認めて貰えるよう、関係各所に働きかけて奔走するセレナ。親戚の横槍を受けつつも奮闘していた彼女は、ある日、父の遺言通り王太子クライブに助力を願い出る。
駄目で元々のつもりで城に出向いた彼女だったが、予想外な事にあっさりとクライブが後見人に名乗りを上げる。しかしそれはセレナと結婚し、王族席を抜けて大公位を授かる事が条件だった。
異母弟の爵位継承の道筋がつくものの、王太子廃嫡の事態にセレナは否応なく周囲の大騒動に巻き込まれるが、当のクライブは平然と事態を収拾し、形式上のセレナの夫に収まってしまう。
紆余曲折の末、クライブの秘密と真意を打ち明けられたセレナは彼と偽装結婚の契約をし、弟が正式な当主になるまで秘密を守る事を誓ったがトラブルは次々と襲来し、気が休まらない日々に。
セレナの弟の爵位継承までのあれこれ、偽装未亡人(?)になった後の、新たな紆余曲折の恋の行方を書いていきます。カクヨムからの転載作品。