行方不明になった幼馴染の日向埜光(ひなのひかり)を追いに、僕はトンネルを潜り抜けた。
全ての始まりは、一枚の手紙だった。
「彼女は元々、この世界の住人じゃない」
送り先が不明のこの手紙を受け取り、僕は山を登った。
今はすでに封鎖され、誰も使っていない『犬鳴トンネル』へ。
その先で目にしたものは、まるで全ての時間を閉じ込めたような、——美しい景色だった。