下駄箱にたどり着くと、学生服の青年が、玄関扉のガラスに、ぼうっともたれかかっていた。
彼は、姫を見つけると、何も言わずにじっと見つめた。
姫は目をそらし、そそくさと靴を履きかえ、隣に並んだ。
「お待たせ。行きましょう、竜」
竜はこくりとうなずき、姫の歩幅に合わせて、歩き始めた。
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