エンジェル君と座敷童子君 徒然なる慰霊の旅路

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家庭が崩壊したあるお家の話

公開日時: 2022年12月18日(日) 00:50
文字数:3,664

今回お話をさせて頂くのは、個人的な人生における体験談ではありませんが、今まで御霊とのやり取りを通して教えてもらったことだったり、学習をさせて頂いたことなど、それを一つの怖い小説としてまとめるのには果たしてそれは怪談になるのか一つのホラーストーリーになるのか、判断が非常に際どいところではあったが、供養の気持ちをもってここでは紹介したいです。


因みに今回ご紹介をさせて頂くのはとある心霊廃墟で見た体験談です。


近隣には住宅もあるために、何処にその心霊廃墟があるのかについては近隣の方々のご迷惑にも繋がる、またこの話をご紹介するにあたって写真などは一切撮ってきていません。外装だけならば土地所有者の許可等は必要はないのですが、はっきり言ってわたし個人的な意見としては撮る価値も検証する価値も無いと思いました。


肝試し目的に訪れる心霊系YouTuberは非常に多いと思います。


そのためか、肝試し目的で訪れた若者による悪戯で立入禁止のテープのところにあえて怖い写真を貼り付けたり、もはや肝試しに来たのか?と疑いたくなってしまうほどの酷い荒らされようでそのためか行政で24時間防犯カメラでしっかりと守られている。税金を使ってでも土地の所有者が建物の解体処分等が出来ない以上はこうせざるを得なくなった現状を踏まえて考えると、とてもやるせない気持ちになりました。


全国津々浦々、心霊廃墟に纏わる怖い話はあります。


よく聞かれるパターンとしては、経営不振の責任を取ったオーナーが自〇を図ったとされる噂がちらほら聞かれますが、それはあくまで噂に過ぎないのが殆どです。ではどうして廃墟になって年月が経てば経つほど心霊現象のようなものが出やすいのかとなってしまうと、答えは単純です。


人がいない人目のない場所だからこそ、居場所のない御霊が集いやすい。


霊感のある人が見ては思いに思ったことを色々と口ずさんでしまったためにありもしない事件やわたしはこうだと思ったという憶測論だけで怪異譚が成り立っているのが殆どで事件性があるのは皆無に等しいと言えるだろう。中には廃墟になってからホームレスが住み込んでしまったパターンもあるだろう。千葉の某廃墟ホテルは廃墟になってから事件が起きた、それまでは単純に廃墟ホテルだったのが事件が起きてしまったことでますます霊場と化してしまったのは例外として、今回ご紹介をさせて頂くのは見る限り明らかに事件性も無ければ、御霊との対話を通してよりその建物で何が起きたのかがわかったがあまりにも内容が内容で暗すぎてネタのお蔵入りをしようかと思っていたが、今回あえてご紹介をさせておこうと決めたのは、それ以上心霊廃墟として訪れるべき場所ではないという事をこの場をお借りして警鐘を鳴らすことによってあの地で眠る御霊の安全性を守るだけじゃなく、近隣の住民の皆様の不安を払拭できればと思い、わたしが現地で行って知ったことをお話させて頂きます。


とあるパワースポットの神社に行くまでにその心霊廃墟は存在する。


通り道となるところに右手にその名残と思われる行灯が見られた辺りから、思わずああここがあの心霊廃墟があるところなのかとピンときました。


道は狭く、停められたとしても車1台が限度と言ってもいいぐらいのところだった。


その上近くの山を見てみると注意書きで熊出没とあった。


はっきり言う。ここは心霊廃墟で彷徨い続けるお化けの恐怖云々よりも熊が出てくる危険性のほうが100%怖いに決まってる。


一先ず最初に見えてきた建物の2階に扉が封鎖され階段にすらバールなどの工具が無ければ中には入れないどころか階段が現存していたとしても果たして上がれるのかどうか、恐らく上がれないはずなのに顔がとてもやつれて疲れ切った表情が否めない40代から50代ぐらいの女性がわたしのほうを見てきた。


この場にいることに対して強い警戒心を示してきた。

肝試し目的と思われたのか、鋭い目つきで睨み付けられた。


その時点でもうすでに答えが分かった。


これ以上深入りしないほうが良い場所だなあ、と。それは決して顔の表情がやつれているのが見てわかったからこそ関わらないほうが良いと考えたとかそういうわけではなく、もうもうそのアクションを見せただけで言葉にしなくとも伝わりました。


それはもうこれ以上関わらないで欲しい、という御霊からのサインです。


女性の霊がいると分かったところでわたしは長居することなく、神社に向かうことにしました。そして神社への参拝を済ませた後、再びこの道を通ることになった際にやはり撮影目的じゃなくともあの廃墟のことが気になり時間をかけて霊視をすることにした。山間部にひっそりと佇む心霊廃墟という事もあり、はっきり言ってこの方(御霊)はこの建物と関連性があるのかとなると思わず疑問を感じざるを得ないというほど、人目が無くなってしまってからは色々な悩みを抱える御霊達の居場所と化してしまったようで、恐らくだが神様にも救いを求め辿り着こうとするにも辿り着けず居座る場所がないためにあそこで居留まるしかないという御霊が殆どだろう。


心霊スポットとされる神社で聞かれる怪異譚も同様のメカニズムが生じている。


本殿が坂の上にあり、御霊が出てくるとしたら鳥居をくぐり本殿へと向かう坂の途中が実は御霊が出てきやすい傾向がとても強い。それは実際にばけたん検証を行ったときでも、赤が実際に2度出た場所もあった。


話に戻ろう。


わたしが心霊廃墟で実際に目の当たりにした御霊というのはそれは可視化するほどの力を持たぬ浮遊霊が中心だった。その中でも、わたしに対して強い警戒心を示してきたあの女性だけはただの浮遊霊ではない、地縛霊だとすぐわかった。


地縛霊になるということは、あの土地に対して死してもなお忘れがたい強い思いがあるからこそ離れられずにあそこにいるという事になる。


そこで再度現れた女性の霊とのコンタクトを取ろうと試みた。


わたしが撮影する気が一切ないということがわかったのか女性の霊は安堵してしまったのか一向に現れる気配がない。しかしそこは粘り強くコンタクトを取りたいという意思を露わにすることで女性の霊が出やすい環境を作り出すことに成功した。


女性の霊は再び、一度2階で現れた建物の1階に現れた。


女性の霊はわたしに対し、わたしが肝試し目的ではないという事がコンタクトを通してわかった瞬間にとても困った表情で訴えられた。


この家は、わたしと亡き娘の思い出の建物。

わたしは娘がまたここに戻ってくるのを待っている。


心霊の噂では事件があったとされているが、女性の霊の話では事件は起きていない。ただ教えてくれたのが、ここにはごくごく普通の家庭の生活があったが、宝物ともいえる娘に先立たれたことにより、今迄の当たり前の有難さの尊さに打ちひしがれ精神的にやつれた末に他の場所で自〇された方だった。


もうこれ以上関わらないで欲しい。

わたしのことはそっとしてほしい。


女性の霊はわたしにそう訴えると建物の壁のある方向へとスッと消えてしまった。


わたしも女性の霊とのやり取りをしたことで、改めてこの心霊廃墟の真実に少しでも触れることが出来たと同時に、夫や子供、幸せな家庭に恵まれて大切な時間を過ごしているときに突如起きた事ならば、例えそれが受け入れぬ形で試練としてやって来たとしても強い気持ちがあれば乗り越えられるはず。ところが一度失ってしまったことにより肉体的にも精神的にも追い詰められた末にゴールの見えぬトンネルに迷い込んでしまったら、きっとわたしが見た女性の御霊と同じ運命になるに違いない。


かけがえのない時間を思い懐かしみ苦しむ気持ちは理解できる。


そう考えると、とてもとても心苦しい気持ちになった。


きっとこの女性には救いを求めてほしい時に助けてくれる人がいたらまた違っていたはずだろう。経営不振になった時点で土地をスパッと売り出し心霊廃墟にならずにすんでいたのかもしれない。


わたしがじっくりと女性の霊と話しているときは、話の内容が理解できないエンジェル君達はただただ黙って聞いて居た。話し終えてその場を後にしようとした時でも座敷童子様と同様にただただ何も言うセリフも無く黙っていた。話を実際に聞いてみて心苦しいと感じ取ったのはエンジェル君も座敷童子様も同じだった。バスで移動中の車内ではじっとバスの車窓から眺めることができる景色を眺めるだけだった。


最後に、もし心霊廃墟に訪れようとする人たちに一言。


前述をしたが事件性はほとんど皆無に等しいのが殆どで、廃墟になってから後付けでホームレスが住み込んだ、居場所のない御霊が居座るようになった等色々な理由により心霊廃墟と化してしまったのが殆どである。事件があるというのは、はっきり言って訪れた者達の思い込みによる作り話がデータベースとなって世の中に広まったに過ぎない。本当に事件があったかどうかは調べてみたら答えが分かるはずだ。


報道されていない事件なんて時代が平成だろうが昭和だろうが存在しない。

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