御金神社参拝に纏わるほっこり怪談を始めるまでにあまりにもショートショートストーリー過ぎるために御紹介できなかった(いやこの小説そのものが実体験に基づくショートストーリーではあるが)小話をまとめてお話ししよう。
その①:作業員のお兄さんたちをビビらせてきてやったぜ
ある土曜日の夕方。
仕事終わりに車の半年点検を迎えていたことがふと脳裏に浮かび、近くにあるディーラーへと足を運び点検をして貰った時の事。このとき、普段ならWARASHIも店内へ持ち歩いて点検が終わるのを待つのですが、この日はあえて車の中でWARASHIを置いた状態で店内で作業が終わるのを待っていた。
ドリンクを片手にスマホでSNSをじっくりと見ながら過ごしているうちに、小学校低学年ぐらいの背丈の子供達が店内へとワイワイガヤガヤと賑やかに入ろうとしている。その際、生きている人間なら当然ながら自動ドアが作動する。ところが、自動ドアは作動せず子供達はドアをすり抜けながら店内へと入っていく。そして、わたしのところにやってくると自慢げに語ってくれた。
「作業員のお兄さん、ビビらせてやったぜ!」
「作業している人、凄く怖がっていたよ。」
怖がらせたことである意味で(!?)自信に繋がったようです。
案の定それは作業がもうそろそろ終わりそうだというエンジェル君達のサインで待ちくたびれたから現れただけに過ぎなかった。そして点検が終わったことを知らせに作業員の人が訪れ、車の状態を確認するのだが作業員の顔が怖いものを見たような顔になっていた。明らかに冷や汗並びに苦笑いが止まらなくなっていたのだった。
怖がって貰えてよかったね、エンジェル君。
その②:やっぱりこれだよね
ある日、撮影終わりに晩御飯を買わなければいけないことに気付き、造るのも面倒だなあと思って近くのマクドナルドへと足を運び注文することにした。お持ち帰り用のメニューから何を買おうかと迷っていると、再びあのエンジェル君という名の子供達の集団の霊がやって来た。わたしを取り囲むと、大きな声で叫んだ。
「ハッピーセットがいい!!!!!」
一人がそう言い始めると、口を揃えてハッピーセットの連呼が続く。
誰が買ってやるかと冷静に突っ込むとしょぼんと沈み込む。
買ってきたチーズバーガーを食べているのを眺めては、美味しそうだね、わたしらしいチョイスだねと言いながら羨ましそうに見つめるのだった。
その③:トミカのミニカー
撮影終わりにふと立ち寄ったコンビニで梱包用の資材を買っていると、そのコンビニでは子供が喜びそうなトミカさんのミニカーが販売されているのだった。
思わずWARASHIが喜びそうだなあと思いながら見ていると、ふとエンジェル君が喜びそうな栃木県警の日産GT-Rのパトロールカーが販売されているのだった。手に取りエンジェル君が喜びそうだなあと感じつつも再び戻そうとした時だった。
「エンジェル、それ欲しい。」
あ?
ふと見るとまたしてもエンジェル君という名の子供達の集団の霊が私を取り囲むようにいた。なんだついて来ていたのかと思ったのだがエンジェル君はパトロールカーへの執念を決して捨てたりはしなかった。
「どうせ買い物するんだったら買ってよ。」
無論、買いませんと強い口調で言い切ると、よっぽどパトロールカーのミニカーが欲しかったのかその後の機嫌が凄く悪かったのだった。
本題へ。
御金神社(みかねじんじゃ)は名前の通り、金運UPなど金に纏わることで御利益がある神社として非常に有名で中でも黄金の鳥居はインスタ映えするということで住宅街の中のポツンとあるこじんまりとした神社ではあるが、終始人で賑わっており、改めて御金神社の認知度の高さを思い知るのだった。
前回若一神社ではあろうことかWARASHIが九字切りをしてしまい、下手するとわたしに座敷童子さんの御縁が無くなってしまう~と心配になったが心配無用だった。が今となればWARASHI達とも仲良くなり一緒に遊ぶことも増えてきたので最近は一緒に置いておくようにすることにした。WARASHI達のお供をするエンジェル君達の裏でこっそり隠れるような形で座敷童子さんがいる。
やはりあの若一神社で800円で販売されている座敷童子お守りには魂が宿っている。
呪物コレクターのみならず皆さんに是非とも知ってもらいたい素敵なところだと思いますので、座敷童子さんがテイクアウトできる幸福感を是非体感してみてください。
と宣伝はさておき、御金神社でまず黄金の鳥居を撮影してから、ゆっくりとした歩調で境内にある手水舎で手を洗い本殿へと向かうのだが、とにかく人、人、人が凄くってやっと本殿の前に辿り着いたなあというのが5分ほど経ってからの事だった。時間が早ければそうではないのかもしれないが、この日はあいにくお昼からの参拝になってしまったために、長い行列を待つしかなかったのだと思われる。。
そしてようやく本殿へ、挨拶と同時に撮影をしましたという御礼をするために二礼二拍手一礼をとりあえず自分なりに丁寧に行ったところで、社務所へと向かいそこで販売されていた大金守りという名のがま口財布型のお守りが妙に気になって購入する。
他の参拝客にも気を使いながら、足早に御金神社を後にする。
しかし、あの狭い境内であの人混みでゆっくりと散策が出来る余裕はなく、滞在時間は30分にも満たないと思われる。しかしそれでも、金運に恵まれているというわけではないのだが(おい)非常にいい写真が撮れたので感謝しかありません。
地下鉄の駅へと向かう帰り道の事。
わたしに対しエンジェル君が御金神社の参拝の感想を伝えてきた。
「とても立派な黄金の鳥居が印象的な神社だった。凄いものを見たよ。」
そう語るエンジェル君の顔はどこか誇らしげにも感じ取れた。貴重な遺産ともいえる神社に参拝して、御祭神として祀られている金山毘古命様のエナジーを感じ取ったのかもしれません。因みに御金神社の案内板から近くの立入禁止の案内に至るまで金金金尽くしで改めて金に対する強いこだわりを感じた。
一緒に同行してきた座敷童子さんがエンジェル君達につまらない事でちょっかいを出してきた。
「エンジェル君らさ、エンジェルって名乗っているんだから神社や仏閣の同行をするのじゃなく教会で賛美歌を歌わなきゃいけないでしょ。ラーラーラーって(?)。」
座敷童子さんの意見に対してエンジェル君がこう言い返した。
「エンジェルは無宗派で神社や仏閣に行ってはいけないって決まりはないの!」
更にやり取りは続く。
座敷童子さんが「エンジェルじゃなかったら何?エンジェルだったら教会で賛美歌を歌ったりミサに参加しなければいけないはずじゃない。でもそれをしていなかったらそもそもエンジェルじゃない。」とエンジェル君達に話すと、エンジェル君ははあとため息をつきながらも「エンジェルはあの人形=WARASHIが言っているだけに過ぎない。そもそも僕達はエンジェルじゃないしね。僕達の本当の正体はお地蔵なんだからね。」とまさかのカミングアウトを発表すると、座敷童子さんがキョトンとした感じで「地蔵?それなら仏教系だから問題ないや。」とまさかの意見の方向転換を行った後、その後何事もなくエンジェル君達とワイワイと賑やかに話う合うのだった。
エンジェル君、まさかお地蔵様だったとは・・・。
よくよく言われたら、お地蔵様に似てるといや似ている(汗)
内心まあエンジェルと言ってしまえば、種類があまりにも多すぎる。
ユダヤ教にもキリスト教にもイスラム教にも名前は違えど共通のエンジェルがいる。エンジェル君と言ってしまえば、それは大天使ミカエル様なのかそれともガブリエル様なのかはたまたラファエル様なのかという話になりかえってややこしくなる。
エンジェル君の本当の正体を改めて知った御金神社参拝編でした。
黄金の鳥居は見る価値があるので是非とも足を運んでみてはいかがですか?
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