琴音「そうそう、友香ちゃんの誕生日って今日だったよね?はい、これ、プレゼント」
総司「えっ?ありがとう!でも急にどうしたの?」
琴音「たまたま本屋に立ち寄ったときに面白そうな絵本があったんで誕生日も近いし、と思ってさ」
総司「気遣ってくれてありがとう!友香も喜ぶよ!なんの絵本?」
琴音「大ピンチ図鑑。めっちゃ流行ってるらしいよ」
総司「あっ、知ってる!子供の目線で起きたピンチをレベル表示して紹介してるヤツでしょ?NHK教育のテレビ絵本って番組でやってた」
琴音「その番組、知らんけど、結構面白いよね。コンセントにシャーペンの芯を挿し込んだ、レベル5!的なヤツ」
総司「そんなやんちゃな図鑑だったかな」
琴音「あと、校庭に石灰で大きく六芒星を描く、レベル5!的な」
総司「低っ!全校集会レベル!」
琴音「むかつく教師の車のワイパーに集めたセミの羽を挟む、レベル5!的な」
総司「それは教師の?レベル5かな?トラウマじゃね?ってか、さっきからの例題は例外なく自らの悪事じゃん、誰目線のピンチなのさ?」
琴音「小学生」
総司「動じない小学生だな。大人もこんなん動揺するよ」
琴音「えっ?じゃあ国目線のピンチ?」
総司「今度はでけぇ話になったな。国の視点でレベル5がそれならレベル90とか何よ?」
琴音「首都直下地震の震災見舞いと称して某国がミサイルを撃ち込んでくる、とかかな。知らんけど」
総司「知らんのかい!」
琴音「いや、確か、小学生のピンチだったし。まぁ、でも視点を変えれば同じピンチでもレベルが下がるし、新たなピンチがいっぱい出てくるよね」
総司「いや、大人もトラウマになる内容なんだから、言うて高校生なんてそれより勝るとは思わないよ」
琴音「別にコンセントにシャーペンの芯指したってあたしは動じないわ」
総司「高校生でそんなことしてる方がピンチレベル高いわ」
琴音「六芒星は今どきミソがつきそうだからレベル3くらいかな」
総司「いや、石灰で遊んでる高校生!」
琴音「そうじゃなく、例えば、駅からずっと付けられてる、ピンチレベル8!とか」
総司「低っ!それヤバいじゃん!」
琴音「そう?今もいるけど、ヤバいのはあたしじゃなく、アンタの方じゃない?」
総司「こっわ!ねぇ、いるの?今いるの?」
琴音「これが肩を掴まれる、だと一気に上がってピンチレベル15!」
総司「ダーマで転職すら出来ない!」
琴音「あと高校生だと、テスト中に強烈な眠さに襲われる、ピンチレベル45!」
総司「、、、ごめん、それは寝ろよ」
琴音「いや、寝るなよ。試験中だよ!」
総司「別に学校のテストなんて自分の現状を知るためのツールで、そんなに有難がるものでもないでしょ」
琴音「はいはい、秀才アピールごちそうさま」
総司「しかし、テストでのピンチはアレね、試験官の教師が実はアリの集合体だった、ピンチレベル30!」
琴音「低っ!普通にトラウマだわ!」
総司「あと、信じていた常識が覆った、ピンチレベル75!」
琴音「具体的で無いんだが、信じていたものが覆って、たった75?じゃあ、90は?」
総司「首都直下地震の震災見舞いと称して某国がミサイルを撃ち込んでくる、とかかな。知らんけど」
琴音「デジャヴ!」
総司「そもそもそのレベルは主観で良いの?単位として致命的じゃない?」
琴音「ピンチレベルは競い合うためのものじゃないんで、主観で良いの」
総司「そっか、じゃあ、僕の今のピンチレベル85だな」
琴音「えっ、高っ!なんで?」
総司「今、琴音と一緒に居られるヤバさがそんくらい」
琴音「、、、そ、総司ぃ////」
総司「っで、今つけられてる琴音のストーカーに襲われるとピンチレベルは95!」
琴音「えっ、吊り橋効果!?」
読み終わったら、ポイントを付けましょう!