総司「ねぇ、今のホームのアナウンス聞いた?『次はアオッ!アオッ!』って言ってたよ」
琴音「そういうのだけ、聞いてんのね。駅ホームのスピーカーに異常があったのか『青野ヶ原』の『あお』だけ拾ったんでしょうよ」
総司「いや、アシカの可能性も捨てきれないね」
琴音「捨てられるでしょ。じゃあ、ニャーニャー言ってるおじさんが居たら、そいつは猫なるの?」
総司「可能性はあるね。姿を見るまでわからない、まさに、、、」
琴音「シュレディンガーの猫って言いたいんだろ、馬鹿馬鹿しい。黙って前向いて歩いてろ」
総司「そういや、蓋を開けてみないとわからないことって、意外にあるよね」
琴音「結構、そういうもんじゃないの?」
総司「例えば、ゲームのガチャとか」
琴音「うん、あるあるネタにもならない普通の例えだね」
総司「例えば、夫婦間の相性とか」
琴音「うん、痴れた口利くな」
総司「例えば、藤原陳忠のキノコとか」
琴音「、、、あっ、古文か。昨日の授業に出てきた古文の問題か。落ちた先にたまたまあったキノコを拾ってくる話、あったわ」
総司「あるある、だろ?」
琴音「ドヤ顔やめろ。あるあるの意味、分かってる?」
総司「そういや、藤原陳忠の受領は倒るるところに土掴め、って話だけど、そういうことって、あるあるじゃね?」
琴音「次はガメツイあるある?」
総司「例えば、歯ブラシなんてそうじゃんか。歯を磨き倒して、毛先がヴァンサってなってからの排水口だの蛇口周りだのを磨く、って言う執念ね」
琴音「なんか擬態語が変すぎて何言ってるかわからなかったけど、それはガメツイとは違うでしょ」
総司「オツベルと象」
琴音「うん、オツベルはガメツイがあるあるじゃない。あの、もう一度聞くけど、あるあるの意味わかってる?」
総司「あと、パーのじゃんけんカードを買い占めようとするヤツ」
琴音「ガメツイというか、戦略というか」
総司「あと、しりとりで『り責め』してくるヤツ。あり、とか、うり、とか」
琴音「それはガメツイんじゃなく、、、ってか『り責め』だけど、それ意味ある?」
総司「あるよ。『り』で責められたらどうすんのさ?」
琴音「倫理とか料理とかリストラとかリバウンドとか、『り責め』とか意味無いよ」
総司「そ、そんな、、、僕、しりとりの時はもっぱら『り責め』、、、」
琴音「じゃあ、ガメツイのは総司じゃんか」
総司「『り』じゃなく、なんなら勝てるのさ!」
琴音「うっさいなぁ。『る』だよ」
総司「『る』?るなんて、ルールとかルーレットとかルンバとかあんじゃん」
琴音「それ以外あるの?」
総司「留萌、留寿都、ルイヴィトン、ルクセンブルク、ルーズベルト大統領、ルーマニア」
琴音「じゃあな、『る』で始まる言葉が20あったとしよう。逆に『る』で終わる品詞はいくつある?」
総司「うっ、、、」
琴音「リール→瑠璃→リアルで『り責め』は『る責め』に屈するんだよ」
総司「、、、いや、ガメツイの話しよ。横道逸れるのは良くない」
琴音「ただ、ガメツイのも考えものだよ?」
総司「なんだ、急に諭すような眼差しで!」
琴音「いいか、風船見てみ?あんだけたんまりヘリウムを入れても一週間もすれば萎んで、地べたをはい回るんだよ」
総司「風船ってガメツク、ヘリウムを入れ込んだものなの?」
琴音「ガメツク一生懸命かき集めてもいつの間にか無くなっているんだよ、そんなもんさ、世の中なんて」
総司「、、、そうだな、僕も琴音の注目を集めたくて一生懸命、それこそガメツクやってたけど、改めなきゃならないな」
琴音「ばっ、な、何言ってんのよ!そ、それはそのままでいいの!」
総司「やった!これからもいっぱい話そうね」
琴音「そ、総司ぃ//」
読み終わったら、ポイントを付けましょう!