総司「そういえば、紛らわしい絵ってあるじゃん。若い女の人に見えるか、老馬に見えるか、的な」
琴音「ある。錯覚になるのかな、あれは」
総司「ぼくにはその2パターンだけではないように思えるんだよね」
琴音「えっ、新説?」
総司「振り返ってる羽飾りを付けた若い王族」
琴音「それは若い女の方に自己解釈を加えたただの屁理屈だね」
総司「でも意外に紛らわしいものってあるよね。たとえば、ガラス器なのか飴細工なのか」
琴音「スゴい飴細工は芸術品みたいだもんね」
総司「あとスカーフを巻いてる女の人とか」
琴音「それはスカーフ巻いてる女の人じゃん」
総司「いや、それが真知子巻きしてる女の人なのか、農婦スタイルの女の人なのか、ヒジャブを付けた女の人なのか」
琴音「お前は道徳警察か」
総司「ことここ、そういう質問は卵が先か、鶏が先か、という話なんだよ」
琴音「うん、、、う、うん?全然繋がってないんだけど」
総司「だから、真知子巻きをしてる人が卵で、、、」
琴音「待て待て、話がアビスに行っちまう」
総司「逆に一択だったら、悩まずに済むのにね」
琴音「一択って、例えば?」
総司「そうね、例えば呂布」
琴音「いきなり呂布?どんな質問?虎牢関を守らせるなら、とか?」
総司「あと、琴音の前だから話すけど、排泄物味のカレーね」
琴音「聞きたくないわ!大体アタシの前なら良くて、誰の前ならダメなんだよ!」
総司「他の女子?」
琴音「黙れ」
総司「あと、一人の方ね」
琴音「あー、線路の分岐点で片方には1人が縛られてて、もう片方には100人が縛られてて、暴走機関車をどちらに向けるか的なヤツね」
総司「えっ?ちょっと意味わかんないけど。逆に怖い」
琴音「あっ、ごめん、違った?」
総司「落雷で動力停止し停車していた電車に後ろから別の電車が突っ込んで事故した話で、電車を埋めるのに反対する1名の方に賛同するか、電車を埋めようとする当局に賛同するかの、、、」
琴音「お前のほうが怖いわ。『一人の方で』だけでそこの情報を汲み取れとするお前の思考も何かと社会問題に結びつけようとするその思考も怖いわ!」
総司「おかしいな、答えは一択なのに、そこに行き着く道程が複数ある」
琴音「あんな、リテラシーの問題だわ」
総司「デモクラシー?」
琴音「いや、確かにデモクラシーが足りてないから埋めるんだが、今その話をしてるんじゃなく、総司君のリテラシーが足りてないと申している!」
総司「そうか。じゃあ、琴音はどうなの?」
琴音「あ、あたし?ま、まぁ、人並みにはあるんじゃないかな、とは思いますけど?」
総司「じゃあ、安心だわ」
琴音「なんでよ?」
総司「琴音が僕を補ってくれるからだよ」
琴音「いや、あたしに選択肢は無いんかい!」
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